◆少年スパイ数千人で思想調査 ルーマニア旧秘密警察 （産経 ０６／７／２２）

http://www.sankei.co.jp/news/060722/kok075.htm

　ルーマニアのチャウシェスク旧独裁政権下の秘密警察セクリターテが１９８０年代後半、数千人の子供を「スパイ」に仕立て、親や教師、友人らの思想を調べていたことが、当時の機密文書から判明した。２２日付の英紙ガーディアンが伝えた。

　同紙によると、新たな事実はルーマニア国民に衝撃を与えており、真相解明のための調査を実施すべきだとの声も出ている。

　セクリターテに保存されていた文書の研究を目的に設置された国家機関のイオネスク委員は、同紙に「１２歳から１４歳までの子供で構成する複雑な（スパイの）ネットワークが、全国にめぐらされていた」と話した。

　歴史学者のオプレア氏は「全国の密告者の１５％が子どもだったとみられる」と指摘した。

　セクリターテは子供たちに、親や教師、友人らが（１）共産党政権をどう見ているか（２）西側のラジオ放送を聴いているか（３）外国人との接触があるか―などについて報告させていた。

　頭が良くて運動のできる子供がリクルートの対象になりやすく、子供の弱みに付け込んで脅迫などの手段で誘い込んでいたという。