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◆【靖国参拝の考察】廖建明氏(上)「悪」へと洗脳 中国の歪曲報道 (産経 06/8/12)


 日中間の靖国問題の論議ではきわめて重要な点が無視されている。それは中国の国民が中国当局によって靖国についてどう教えられているか、という点である。

 中国国民が当局の管理するマスコミにより靖国に関してなにをどのように知らされているか、という点だともいえる。

 中国内で国際情勢を知らない人間が中国の新聞類だけを読んでいれば、日本はまさに「邪悪の帝国」であり、小泉純一郎首相は「最も邪悪な人物」と信じこんでしまうだろう。

 中国マスコミは日中関係を傷つけ、悪化させるのはもっぱら小泉首相だと非難し続けている。そして小泉氏の最大の「罪」は靖国神社を参拝することだと糾弾する。

 中国のマスコミは靖国神社への参拝を「鬼を拝む(拝鬼)」ことだと評する。靖国神社に祀られているのは鬼だという前提なのだ。

 「鬼」という語は日中戦争中に中国人が日本軍将兵に対し憎しみをこめて使った蔑称(べっしょう)の「日本鬼子」をも連想させかねない。そして鬼を拝む小泉首相はヒトラーと同列におかれるのだ。

 中国マスコミの靖国に関する報道も論評も、きわめて偏向し、不正確である。受け手は歪曲(わいきょく)された情報に洗脳されて、日本側の靖国参拝という追悼の行動について最悪に曲解し、小泉首相に対しても根拠のない嫌悪感を抱く結果となっている。

 中国のマスコミはすべて共産党の厳しい支配下におかれ、党や政権のためのプロパガンダ・マシンとして機能する。政治宣伝や根拠のない糾弾、情緒的な攻撃が「報道」の常であり、公正さや客観性とはおよそ縁がない。

 昨年、小泉首相は中国側の反発への配慮などから終戦記念日8月15日を避け、靖国の秋季例大祭の10月17日に参拝した。だが中国のマスコミはこのタイミングを「故意の邪悪な意図」に基づくと断じた。次のような新聞報道がそれだ。

 「神舟6号が安全に着陸をしているときに小泉首相は靖国に参拝した。このタイミングは小泉が中国人全体を公然と侮辱していることを改めて立証した」(南方都市報)

 「小泉が『鬼を拝む場所』の靖国神社に醜悪な歩を進めたとき、中国の2人の宇宙飛行士はちょうど英雄的な帰還を果たし、中国の全人民はその勝利の喜びに浸っていた。

 小泉とその側近は工夫をこらし、鬼への礼拝がその中国側の喜びと時機が合うように計算をしたのだ。その結果、日本の政治家の変態的心理が十分に暴露されることになった」(中華工商時報)

 この報道は小泉氏ら日本の政治家を「変態」と決めつけているが、本当に「変態」なのは中国側の記者やマスコミの方だろう。なぜなら「小泉は参拝の時機をあえて神舟6号の帰還に合わせた」という主張はなんの根拠もない陰謀説だからだ。

 その意図は中国国民の民族感情をことさらあおり、日本や小泉首相への悪意を増大させることにある。

 小泉首相は8月15日の靖国参拝を公約としながらも、同日の参拝を避けた。日本国内の論議や中国側の反発などを考慮しての譲歩だろう。この譲歩は中国との緊迫を悪化させないための慎重で誠意ある対応といえよう。

 だが中国側はこの譲歩を完全に無視して、悪口を浴びせ続ける。日本側が中国の要求に応じて、譲歩をしてみても、問題は解決されないという現実の一端である。

 そもそも中国当局は靖国神社をいまも日本の軍国主義や侵略の象徴のままであると断じ、日本の戦後の平和主義を無視して、自国民に教えこんでいる。

 中国当局系の情報ポータルサイト「千龍網」の「日本・靖国神社とは」に以下の記述がある。

 「靖国神社は東条英機ら第二次世界大戦のA級戦犯を含む一連の戦犯の位牌(いはい)を供奉(ぐぶ)し、軍国主義の対外侵略戦争を宣揚し、支持する精神的支柱であり、象徴である。

 また日本の一部極右勢力が戦争犯罪人をたたえ、軍国主義の亡霊を呼び戻す祭壇なのである」

 つまり靖国はいまも軍国主義や侵略戦争を誇示し、支持する場であり、そこへの参拝は軍国主義や侵略の復活そのものだと断じているのである。

 これでは中国国民だけでなく他国民も靖国参拝自体が「悪」だと思いこまされてしまうだろう。

                  ◇

【プロフィル】廖建明

 米国留学でジャーナリズムを学んだ後、1992年に香港の亜洲週刊の記者、95年に星島日報の国際部長、97年から香港経済日報の記者を務め、99年に香港最大部数の蘋果日報の記者、2003年に同紙編集長。

 その後、同紙の政治コラムニストを経て、米国ワシントン駐在特派員、05年から在米の記者として独立し、米国や香港の新聞数紙に定期コラムを執筆している。



◆【靖国参拝の考察】廖建明氏(下)虚構の宣伝「小泉=ヒトラー」 (産経 06/8/13)


 中国政府は小泉純一郎首相の靖国参拝が「13億の中国人民の感情を傷つける」と非難する。しかし中国国民は靖国神社が存在する地には住んでいない。

 中国から離れた異国の内部での出来事に感情を傷つけられるというのは、その出来事に特殊の意味がつけられ、中国国民の感情に注入されるからだろう。

 中国国民へのその意味づけはすべて中国当局の官営マスコミにより一方的になされる。13億の中国人が感情を傷つけられるか否かは、その問題について与えられる情報の内容次第なのだ。

 中国のマスコミは「小泉の靖国参拝が日本の中国への侵略戦争を美化し、軍国主義の精神をあおる」と報じてきた。首相は現実に「平和への祈り」のためや「戦争を二度と繰り返さない」ために参拝するのだと言明しているが、その事実はまったく報じられない。中国の大手官営新聞による報道の具体例を紹介しよう。

 「小泉の再度の靖国神社参拝は過去の侵略戦争を美化している」(人民日報)

 「小泉の参拝は靖国神社によって広められている反動的修正主義歴史観を肯定するためなのだ」(北京日報)

 「小泉首相は靖国参拝により日本の偏狭な民族主義の感情をあおり、軍国主義の魂を復活させている」(光明日報)

 現実には小泉首相はA級戦犯を「戦争犯罪人」と呼ぶことでその行動をも否定する立場を明確にしてきた。ところが中国の新聞はその事実を完全に無視するどころか、事実と正反対のことを報道しているのだ。その結果、中国国民は小泉首相の「平和への祈り」や「不戦の誓い」をまったく知らされないこととなる。

 首相がこれまで、日本国民への自らの公約を破ってまで終戦記念日の8月15日の参拝を自粛してきたことも中国の国民には知らされない。首相は近隣諸国に日本の戦争の否定や平和への希求に関して誤解されることを懸念して8月15日の参拝を避けてきたのだろう。

 だが中国のマスコミは靖国の存在自体を悪として描く。靖国神社が最近、中国語や韓国語の案内書を出したことは次のように報じられた。

 「この動きは日本の歴史を捻じ曲げて、外国人たちに提示することの意図を示している。(その案内書は)世界中の人々に日本の軍国主義の脅威がいまも健在であることを知らしめ、警戒させる」(新快報)

 つまり日本の軍国主義の脅威はいまも存在するというのである。

 「日本の軍国主義は従来から決して日本だけの問題ではない。アジアの安定や人類の運命に関係しているのだ」(光明日報) 

 「日本の軍国主義」は記事中、すべて現在形で描かれるのだ。

 中国マスコミは小泉首相の6月末の米国訪問についても「靖国参拝の悪影響」があったという願望表明のような虚報を流した。

 「小泉首相は訪米中、アジアでの負の遺産―靖国参拝が近隣諸国との良好な関係を崩していること―に悩まされた。米国の世論も首相の靖国参拝には反対を示すようになったのだ」(人民日報)

 しかし現実には米国では日本の首相の靖国参拝を問題視するという世論はまったくといってよいほど存在しない。首相が訪米中にその問題で悩まされた形跡もない。

 なにしろ中国のマスコミは小泉首相をヒトラーにたとえるのである。この記述は中国マスコミの無根拠な攻撃に慣れていた私にとってもショッキングだった。

 「過去5年の『小泉人気』はヒトラーの独裁によく似ている。小泉もヒトラーも特定の政治問題に火をつけて、あおりたてることがうまいからだ」(環球時報掲載の中国社会科学院の日本研究所研究員による論文)

 民主的な手段で選ばれた日本の首相を一党独裁の中国マスコミがヒトラー呼ばわりするわけである。これほどの歪曲(わいきょく)をする当事者たちにとっては、靖国参拝に関する捏造(ねつぞう)報道など簡単なのだろう。

 日本側としては靖国問題の解決には、中国側に対しこれほど極端な官営マスコミの靖国に関する歪曲プロパガンダの是正を求めることも必要であろう。(寄稿)
by sakura4987 | 2006-08-12 15:16

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