◆男女着替え同じ部屋 米沢の市立中で常態化 (朝日06/8/25)
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米沢市内の市立中学校で、男女の生徒が同じ教室で運動着に着替えることが常態化している、として生徒や父母の間で疑問視する声が出ている。中学校長は男女同室の着替えを「正常ではない」と認めており、改善のための研究を始めるという。この問題で2回の調査を実施した県教委は、「改善指導を進める」としている。
同市内の中学校の父母によると、更衣室は設置されているが、使用できるのは2学級分ほどに限られている。全校一斉の清掃や運動行事などの際は、短時間での着替えが必要になり、同じ教室で男女が着替えている。全校一斉清掃は、ほぼ毎日ある、という。
このため、生徒たちは運動用の短パンやTシャツを登校前から着用し、女子はスカートの下に短パンをはいている。運動や清掃をした後は、着替えができないため、汗を吸ったTシャツなどを着たまま、その上から制服を着て下校している。
父母の1人は「男女が同じ場所で着替えをさせられるのは、中学生とはいえ人権上の問題」と指摘する。また別の父母は「子どもは不快感を訴えている。第一、汗まみれのシャツが原因で風邪でもひいたらどうするのか」と話す。
中学校の関係者によると、この男女同じ場所での着替えは、かなり以前から多くの中学校で常態化している、という。父母からも、疑問視する声が出たこともあったが、大きな問題にもならず、改善はされなかった。
対策として、空き教室の利用とか、着替え用の教室を奇数、偶数のクラスで男女を分けるなどが考えられる、と父母は言う。
ある中学校の校長は、「以前から正常ではないと認識していた」といい、着替えの際の教室利用や着替え時間のあり方などについて、「研究する」としている。
∞県内23校も同様 県教委是正始動
県教委によると、文科省の「学校における男女の取り扱い等に関する調査」に伴い、昨年12月に実態調査をしている。その中で、「体育の際などの着替えが男女同室か?」を尋ねたところ、調査した県内の126中学校中、32校が「同じ」と回答した。
このため、改善を求めながら、今年4月に再調査した結果、「男女同室」は23校に減少した。男女同室は米沢市内に限らず、県内に広く分布していた、という。
男女同室の理由として学校側は(1)更衣室が確保できない(2)更衣室があっても狭い(3)更衣室まで時間がかかる、などを挙げている。
県教委義務教育課は、是正させる必要があるとして、「教室の弾力的な運用など、工夫をすれば改善できる」と指導をさらに進める方針だ。