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◆インド・ブラジル・南アフリカ、航空宇宙産業進出で共同 (JANJAN 06/9/3)


http://www.janjan.jp/world/0609/0609030594/1.php

【ニューデリーIPS=バランジョイ・グハ・タクルタ、8月16日】

 インド、ブラジル、南アフリカ(IBSA)による野心的な「第3国(South-South)経済協力」の試みが、9月第2週にブラジルで開催される首脳会議で大きく前進する模様である。

 IBSA3国は、国際市場では互いに競争相手であり、またロジスティックの面で貿易拡大に不利な立場にあるが、アナリストは、この開発途上3国は、特に航空宇宙、原子エネルギーといった高価値分野での技術協力に高い可能性を有していると考えている。

 インドのマンモハン・シン首相は9月13日の会談で、3国間自由貿易地域(FTA)設立を提案すると見られる。同提案は、3国間に止まらず、ボツワナ、レソト、スイス、ナミビアといった南部アフリカ関税同盟(South African Custom Union)加盟国およびアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ベネズエラといった南米南部共同市場(MERCOSUR)加盟国の参加も視野にいれている模様。

 インド、ブラジル、南アフリカの外務大臣がブラジリアで初会談を行いIBSA対話フォーラムの設立で合意したのは2003年6月のことである。その後同フォーラムは公式決定され、2004年3月からニューデリー、ケープタウン、リオデジャネイロで毎年対話が行われている。インド、SACU、MERCOSUR間の貿易は今後大幅に拡大するというのが一般の認識である。

 IBSA貿易は現在、3国の貿易総額の僅か2%に止まっており、互いに貿易相手国トップ10のリストには含まれていない。しかし3国間及び地域間の貿易は近年大幅に増加している。

 例えば、2001-2005年のインド/MERCOSUR貿易は10億ドル弱から23億ドルに、インド/南アフリカ貿易も13億ドルから133%増の31億ドルに増加。ISBA間貿易は2007年には10億ドルに達すると予測されている。

 南アフリカのBusiness Unity South Africa(BUSA)、南アフリカ国際問題研究所(SAIIA)、インドのConsumer Unity & Trust Society(CUTS)、ブラジルの国際貿易協議研究所(IUCONOE)といった4研究所/非政府組織の度重なる討議の結果、IBSA諸国は、航空宇宙産業の共同開発に取り組むことで大きな利益が得られるとの結論に達している。

 ヨハネスブルグを拠とするSAIIAの「貿易による開発」(development through trade)プログラムの責任者ピーター・ドラパー氏は、IPSの質問に対し「IBSA構想は、3国の国連安全保障委員会改革計画に端を発するものだが、この政治的構想が経済協力に発展した」と語った。

 南アフリカ外務省のラテンアメリカ/カリビアン担当部長で外交官のムブレロ・ラクウェナ氏は、「民主主義を信奉するIBSA諸国は、開発のレベルも同じで、貧困対策でも共通の問題に直面している」と語る。同氏は、「第3国協力」の過去がどうであれ、IBSAのイニシアティブが決まり文句を繰り返すだけの単なる会合、あるいは無益な政治的対話に終わることはないと期待している。

 BUSAのジェリー・ヴィラカジ代表は、「第3国協力について多くの発言がなされているが、開発途上国は、嘗ての植民地支配国を含む「北」の国々との貿易に概ね甘んじている」と批判する。

 IBSA貿易の障害の一つは、輸送コストの高さである。インド、ブラジルから南アフリカへの輸送は、量の少なさからまずヨーロッパへ送られるため、輸送賃がかさむ。同じく輸送量の少なさから、インドから米国への航空輸送の方が距離的には近いブラジルへの輸送よりも安いのである。

 3国はWTO協議の際の緊密な協力にも拘らず、皮革、衣料および綿花、砂糖といった農産物の対開発国輸出では、互いに競争している。しかし同時に、バイオ技術、製薬、エタノール/鉱物生産での協力に大きな可能性を秘めている。

 3国間の投資関係は、場当たり的で不規則なものであった。例えば、インドの製薬会社ランバクシーは、南アフリカおよびブラジルに、自動車メーカーのタタ・モーターズ、マヒンドラ・グループは南アフリカに投資してきた。一方、南アフリカのダイアモンド会社デ・ビアスと醸造会社SABミラーは、インドへの投資を行ってきた。しかし、ブラジル企業は、インド、南アフリカへの投資は行っていない。インドおよび南アフリカが、中国に次ぐ世界第2の投資先国ブラジルに進出していないのは意外である。

 言語の違いもISBA間の経済関係の障害となってきた。インドでは、スペイン語と違いポルトガル語の通訳/翻訳者を見つけるのは困難である。しかし、真の障害は、それぞれの国の相手国に対する理解の不足にある。SAIIA、CUTS、ICONEが行った調査により、調査対象となった企業家の多くがIBSAイニシアティブさえ知らなかったことが明らかになった。

 それにも拘らず、南アフリカは対アフリカ貿易の、ブラジルは対ラテンアメリカ貿易のハブとして、またインドは南アジア地域協力連合(SAARC)全体の貿易/経済協力のゲートウェイとして機能することが可能というのが一般的考えである。(SAARCは、インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルジブの7カ国で構成される)

 CUTの政策アナリスト、パラナブ・クマール氏は、IPSに対し「IBSA3国がロジスティックスの制約を受けずに協力できる重要分野の1つは航空宇宙産業」と語る。同氏は、「インドは、すぐれた軍事航空および宇宙科学技術力を、ブラジルは旅客航空機製造の専門知識を有しており、南アフリカは航空電子部門で他の2国を抜いている。3国は、航空宇宙分野での相互補完が可能」と語っている。

 ICONEのマルコ・マルコニーニ氏は、「航空機製造は、ブラジルにとって年間20万ドル相当の輸出を誇る最重要輸出産業の1つであることから、IBSA3国の専門家が一緒になってどうすれば最善の技術協力体制を敷くことができるかを討議する必要がある」と語る。また「世界の航空宇宙産業は、年間25%の成長を遂げており、3国は協力関係から大きな利益を得ることができるだろう」と言う。

 米国とインドの核協力協定が最終合意されれば、民用核エネルギーの分野でも3国間の協力が可能となろう。ブラジル、南アフリカは原子力供給グループ(Nuclear Suupliers Group)に属しており、インドの核燃料提供規則緩和の立場を支持している。(原文へ)
by sakura4987 | 2006-09-05 06:37

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