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◆[最後のM5]「迷走するロケット開発政策」 (読売社説 06/9/24)


http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060923ig91.htm

 固体燃料ロケットM5の雄姿を見られるのは、この打ち上げが最後となる。

 宇宙航空研究開発機構が、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からM5の7号機を打ち上げ、国際協力の太陽観測衛星「ソーラーB」を予定通り軌道に乗せた。

 M5は、これで引退する。最後の成功で、1997年2月の1号機以来、成績は成功6回、失敗1回となった。新規ロケットとしては、まずまずと言える。

 日本の固体燃料ロケットは55年のペンシルロケットに始まる。その伝統を継いだM5は、同種ロケットとしては世界最大級で、性能も最高水準とされた。

 惜しむ声もある。だが、M5が抱える問題を考えれば、致し方ない。

 なによりコストが高い。1回の打ち上げに80億円の巨費がかかる。米国の液体燃料ロケットなら、同じ衛星を半額で打ち上げられる。液体燃料を使う日本の主力ロケットH2Aに比べても、打ち上げ重量当たりのコストは5倍近い。

 また、性能面では、M5は振動が大きいとの指摘があった。このため、搭載した衛星や探査機の精密機器に影響が出かねない、という懸念も聞かれた。

 M5は、宇宙探査を目指す旧文部省の宇宙科学研究所が開発した。開発が始まる90年までは小型の固体燃料ロケットしかなく、惑星探査など大型の計画には対応できなかった。

 実用衛星打ち上げを志向する旧科学技術庁の宇宙開発事業団は、当時、H2Aの先代ロケットH2を開発中だった。しかし、縦割り行政の下で、宇宙研のH2利用が検討されることはなかった。

 2003年に両組織が統合して状況は変わった。惑星探査へのH2A活用も考え、政府は今夏、M5退役を決めた。だが、その後をどうするか、ロケット開発の総合的な方針が、はっきりしない。

 M5より小型のロケットを開発する計画だが、性能や打ち上げ方式などが決まらない。載せる衛星も未定だ。10年前にも、統合前の宇宙研と事業団が共同で固体燃料のJ1ロケットを開発したが、コスト高で頓挫した例がある。

 別の計画として、液体燃料を使う中型衛星用「GXロケット」が官民共同で開発中だが、M5の後継ロケットと能力が重なる。役割分担をどうするか。GX開発自体も技術的に難航している。

 M5の退役で当面、日本のロケットはH2Aだけになる。トラブルが起きれば日本の宇宙開発がすべて止まるリスクさえある。放っておけば、M5までの開発で培われた固体燃料技術も失われる。迷走している暇はない。
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by sakura4987 | 2006-09-26 15:38

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