◆31首長がパトリオット配備反対 本紙調査 (琉球新報 06/10/7)
米軍再編に伴う米陸軍パトリオット・ミサイル(PAC3)の沖縄配備について琉球新報社は4日から3日間、県内全41市町村長を対象に、配備の是非などを問う文書によるアンケートを実施した。
回答した36市町村長のうち、配備に「反対」した市町村長は「どちらかと言えば―」を含めると31人(86.1%)に達し、明確に「賛成」を表明した自治体はなかった。
「どちらかと言えば賛成」の回答も5人(13.9%)にとどまり、配備への反発がほぼ県内全域に及んでいる実態が明らかになった。
また普天間飛行場の名護市辺野古移設や海兵隊8000人のグアム移転、嘉手納基地より南の土地返還を一括履行(パッケージ)するという米軍再編の日米合意の中で、「抑止力の維持」が先行している現状については、再編内容の「見直しが必要」との回答が過半数(52.8%)を占めた。日米が合意した「負担軽減」への不信感がうかがえる。
パトリオット配備に反対する理由については「基地機能の強化」や「新たな負担増」を挙げる自治体が圧倒的多数を占めたほか「沖縄が軍事的な標的にされる」との恐れや「基地が永続使用される」「県民感情が許さない」「地元との合意が図られていない」などの指摘があった。
一方「どちらかと言えば賛成」と回答した自治体は北朝鮮のテポドンなど弾道ミサイルの脅威を挙げ「周辺にミサイルの脅威がある」とし、PAC3の配備が防衛や抑止力につながるとの認識を示した。
配備は「基地機能強化と思うか」との質問には、無回答と「その他」の2人を除くすべてが「そう思う」と回答。「そう思わない」はゼロだった。配備に伴う600人の兵員とその家族900人の増加は「地元への負担増だと思う」が8割に達した。
PAC3の搬入に当たり、一部を除き関係市町村に対して事前に連絡がなかったことについても「事前に通知すべきだ」が94.4%に上った。