◆核施設に日本製機械多数 (中日 06/10/12)
北の元工場職員証言
北朝鮮の核施設の元職員で、1994年に韓国へ亡命した金大虎(キム・デホ)氏が11日、本紙と会見し、核施設には多数の日本製の機械や設備があったと証言。
「結果的には、日本の技術が北朝鮮の核開発を支えたことになる」と述べた。
金氏は85年8月から約2年間、平安北道寧辺のウラン加工工場に勤めた。工場には、油圧や掘削機械、地下坑道で使うポンプなど多数の日本製品があり、「商標で日本製と分かった」という。
その後、黄海北道平山にあるウラン廃棄物処理工場の副工場長を務めた。その際も「処理工程で硫酸を使うため、腐食しにくいステンレス製の設備を使っていた。ほぼ全部が日本製だった」と述べた。
核施設での作業は、主に北朝鮮軍の工兵部隊が担当していたが、安全管理はずさんだった。
寧辺では、粉砕したウラン鉱石を炭酸アルカリ溶液に浸す作業をしていたが、作業員はウランを含んだ粉末をかぶって真っ黄色になっていた。
金氏は「科学者や技術者は違うだろうが、一般作業員はまともな防護服もなかった。脱毛や歯茎からの出血を訴える人が多く、白血病や肝臓病になる人もいた」と述べた。
だが核施設の労働者は給与が高く、食事など待遇も良いので、「放射能汚染を心配しながら仕事をしていた」という。
北朝鮮が9日、核実験を行ったと発表したことについて、金氏は「米国による金融制裁や圧迫をやめさせようと、金正日(キム・ジョンイル)総書記が核実験による賭けに出たのだろう」との見方を示した。