◆北への支援再開決定だけは驚くほど素早い統一部 (朝鮮日報 06/11/02)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/02/20061102000049.html
統一部スポークスマンは1日、「6カ国協議の再開などの状況を見守りながら、コメ・肥料の支援再開を検討していく」と発表した。
またイ・ジョンソク統一部長官はこの日ラジオに出演し「(コメ・肥料の支援再開の時期を)6カ国協議再開の決定時点とするのか、会談の実現時点とするのか、あるいは他の基準を設けるのか、検討すべきだ」と語った。
北朝鮮が6カ国協議に復帰するという意思を明らかにしてからたった1日で、北朝鮮によるミサイル発射問題が持ち上がった7月以降中断していたコメ・肥料の支援再開を検討するという。まったくいつから統一部はこれほど身のこなしが早くなったのか。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は先月9日の北朝鮮による核実験への対応策を20日以上経ってもまた発表しないでいる。核実験直後には「国連決議が出た後で決める」としていたが、安保理が北朝鮮制裁決議を採択すると今度は「国連決議が定めた制裁の詳細を把握する」とし、延び延びにしている。
そして「韓国はすでにコメ・肥料の支援中断という厳しい制裁を行っている」という聞き飽きた話を繰り返した。ところが今度は、北朝鮮の6カ国協議に復帰するという一言だけでその数少ない制裁を解くという。
北朝鮮が6カ国協議に復帰するとしたのも、国際社会の迅速で厳しい制裁があったからこそだ。米国主導による圧力に絶えられない北朝鮮が、ここはひとまず折れておこうと、中国の手を取り6カ国協議のテーブルにつくことを選んだ。
もし国際社会が韓国政府のような「包容政策」を信奉していたなら、北朝鮮はこちらの弱点を狙って、武力挑発を行ったかもしれない。
北朝鮮が6カ国協議に復帰したとしても、核廃棄交渉に誠実に臨むのか、あるいは制裁による圧迫を避けながら時間を稼ごうとするのかはまだわからない。そのため国際社会は北朝鮮の6カ国協議が復帰しても、北朝鮮が核を廃棄するまでは制裁を緩めないという立場だ。
現政権は米国、中国、北朝鮮が6カ国協議の再開で合意した際も、後になってその事実を聞かされた。米中は協調対応から離脱した韓国を信頼するに足らないと考えており、また北朝鮮は米国にしか目を向けず、韓国には振り向きもしない。
現政権はこれほど侮辱されても鈍感すぎて気づくこともできず、また自分にその原因があることも知らないでいるようだ。