◆【詳説・戦後】第3回 憲法公布 満60歳(3-3)
(産経 06/11/02)- ≪抜粋≫
■国民投票、早くても21年
現時点で憲法改正の見通しは立っていないが、どんなに早くても実現は平成21年以降になる。
これは、憲法改正に必須の国民投票の制度が未整備なのも大きく影響している。衆院憲法調査特別委員会(中山太郎会長)では、国民投票法案の与党案、民主党案の審議が始まったが、どちらも施行は法律の公布から2年後と定めている。
さらに、憲法改正案の国会発議から国民投票まで60~180日間の周知期間があるため、どんなに早くても国民投票の実施は21年以降になる。
国民投票関連法案が成立すれば、次の国会で、衆参両院に常設の「憲法審査会」が置かれる。
審査会は憲法改正案の審議を行う権限を持つが、衆院憲法特別委の質疑で自民党側は、審査会発足後、2年ないし数年間は審議は調査にとどめ、改正案の審議は行わないことを“約束”している。
国民投票法案は投票年齢などをめぐって与党と民主党の妥協が成立するか見通しが立っておらず、今国会で法案が成立するか不透明だ。
このため21年中に憲法改正に関する国民投票が実施される可能性は低く、自民党は当面、昨年まとめた新憲法草案の検証作業を進める方針だ。
森清・元自民党憲法調査会副会長は「新憲法草案は不十分な内容で、党内の意識を改革する必要がある。首相が(改正に)5年かけると言ったのはよかった」と語る。