◆「韓国戦争の原因は米国」訪朝した民主労働党綱領 (朝鮮日報 06/11/05)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/05/20061105000024.html
「わが民衆は…弱肉強食の社会、人間としての価値を認められていない世の中に住み…これは正に自主的民族統一国家の挫折と資本主義体制から始まったものだ」
民主労働党が2000年に制定した綱領の書き出しだ。大韓民国建国の歴史や資本主義体制に対する全面否定が出発点だ。
米国については「韓半島(朝鮮半島)を分割し、同族が相争う悲劇をもたらし、南北に軍備競争の消耗戦を誘導、民衆の生を荒廃させた」という見方をしている。
党の目標は「労働者と民衆主体の自主的民主政府を建設」し、「利潤を目的とする私的所有権を制限し、生産手段を社会化」することだ。
党の理想は「人類史に綿々と続く社会主義を継承した新しい解放共同体」と明示している。
■「戦時作戦統制権還収」「財閥解体、企業・土地の国有化」「国家保安法・国家情報院廃止」
政治面では「抑圧的国家機構」の国家保安法・国家情報院・国軍機務司令部を廃止し、軍・警察・行政官僚機構を民主的に改造するとしている。
財閥解体を筆頭とした経済改革は▲財閥トップ一族の持ち株を強制有償還収▲一定規模以上の土地の国有・公有化などを、統一・外交分野では▲在韓米軍撤体・戦時作戦統制権還収などを挙げている。すべて国の根幹を揺るがす可能性のある内容だ。
民主労働党の綱領は、左派学者や80年代の理論派活動家が作成した。このため主体思想派が優勢だった80年代の学生運動家たちが使った論理がそのまま反映されている。
民主労働党関係者は「党綱領はもともと、最も高い次元の理想を表したものだから、抽象的で過激に見えるかもしれない」と話す。
そして「暴力革命路線はずいぶん前に捨て、合法政党路線を掲げてきた」と説明している。
だが「社会主義」については「貧富の格差など資本主義体制の問題は解決しなければならない。資本主義の代案が社会主義だとすれば、それは今も追求するべき価値がある」と言い切った。
欧米の左派政党は、長い歴史の中で変化する現実を反映しながら党綱領を修正してきた。しかし民主労働党は設立以来、党綱領の修正について正式に論議したことがない。
党綱領の問題が出るたび「民主労働党のアイデンティティを損なうことはできない」としてきた。
このため、非常に観念的で宣言的な部分や、在韓米軍撤退・財閥解体のような非現実的な部分は修正が必要だという指摘も党内部から出ている。
しかし民主労働党は代議員の3分の2の同意を得なければ綱領を改正できない。
党は‘NL(民族解放)系’と‘PD(民衆民主)系’という相対する2つの勢力に分かれており、この問題を提起すれば民主労働党が分裂に追い込まれる」というのが党関係者の説明だ。