◆「対馬の日」行事断念 韓国・馬山市 日韓関係修復に配慮 (西日本 06/11/05)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20061105/20061105_001.shtml
韓国南部の慶尚南道馬山市は4日までに、島根県の「竹島の日」条例に対抗して公布した「対馬の日」条例の1周年記念行事を行わない方針を決めた。
馬山市当局者が明らかにした。10月9日に就任直後の安倍晋三首相が訪韓、約1年ぶりの日韓首脳会談が実現するなど、両国関係修復の動きが出ていることにも配慮したとみられる。
馬山市は昨年4月、「対馬はかつての韓国領土」と主張する「対馬の日」条例を公布。その後、市民各界代表約400人を集めた「対馬の日宣布式」を開催したり、対馬歴史探訪団を派遣するなどしてきた。
今年は当初、「対馬の日」に指定した6月19日に合わせ1周年記念行事を計画。しかし、4月末の韓国統一地方選挙を理由に「1周年行事は夏場にいったん延期する」としていた。
馬山市当局者は「結局、1周年行事開催について積極的な声が上がらず、タイミングを逸した。2周年行事は開催したいが、それも現時点では流動的」と述べた。
また、「対馬の日」条例を全会一致で可決した馬山市議会の関係者は「対馬の日は、あくまで竹島の日に対抗したもの。竹島の日が撤回されるなら、こちらも撤回できる。韓日関係が好転の兆しを見せており、1周年行事開催であえて波風を立てる状況にはない」と語った。
「対馬の日」をめぐっては9月下旬、長崎県対馬市議会が条例撤回を求める決議を全会一致で可決し、馬山市議会に送付。
これについて、馬山市議会事務局は本紙の取材に対し「10月16日に届いた決議文は保管したままで、議会としての対応は現時点でない」と回答。
条例撤回の可否に関し議長側は「市が判断すること」とし、市長側は「議会が判断する」と、困惑の表情も見せている。