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◆北朝鮮の難民流出懸念 (フジサンケイ 06/11/02)


「核クラブ」と本音で情報交換を  佐藤 優

http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200611020001o.nwc

 東京は北朝鮮情報を収集するための最適地である。10月9日に北朝鮮が核実験を行ってから1週間から10日くらいたったころからヨーロッパや中東の情報大国のプロたちが続々とやってきた。情報のプロたちは以下の見立てでほぼ一致している。

〈北朝鮮は、核兵器、弾道ミサイルを「人質」にして、金正日暗殺のような動きがあれば、韓国、日本にミサイルを打ち込みソウルや東京を「火の海」にする。その上、北朝

鮮が、中国、ロシアの国境地帯にあえて建てたチェルノブィリ型の原子力発電所を破壊し、死の灰が中露両国に流れていくようにする可能性もある。北朝鮮指導部は「首領決死擁衛(ようえい)」をスローガンに掲げているが、金王朝が崩壊するくらいならば全世界を巻き添えにして破滅させてやると本気で考えている。〉

 日本の報道を見ると、国際社会が北朝鮮に圧力をかけて核開発を阻止すべく努力しているとの姿しかでてこない。確かに表外交の世界では、その通りだ。しかし、情報のプロたちはもっと覚めた見方をしている。

 北朝鮮の核開発を阻止できないという見立ての下でインテリジェンス戦略を組み立てようとしている。各国がそれぞれの国益を露骨に追求している。情報機関がこれまでよりも身を一歩前に乗り出して裏外交を積極的に展開していると筆者は見ている。

 国連安保理常任理事国でかつ核保有国である米中露の「核クラブ」は、北朝鮮を「核クラブ」の正式メンバーに加える気持ちはさらさらない。しかし、北朝鮮の核兵器を力の行使で断念させることにロシアと中国がひどく抵抗している。

 それは中露両国が、対米牽制(けんせい)カードとして北朝鮮を使っているからではない。北朝鮮の暴発が国益を毀損(きそん)すると中露それぞれが深刻に認識しているのだ。

 朝鮮系少数民族が居住する延辺朝鮮自治区を含む中国東北地方では市場経済化の進展で格差が開き、社会的緊張が増している。北朝鮮が崩壊し、大量の難民が押し寄せ、社会不安が増大することを中国は本気で懸念している。

 ロシアは、北朝鮮崩壊による大量難民の流出を懸念して、既に朝露国境を無人地帯にしている。従って、北朝鮮の体制崩壊による難民問題については「ほとんどが中国に流れていく」と突き放してみているが、アメリカが北朝鮮の原子炉を空爆し、死の灰がロシアに降ってくることを本気で心配している。

 あるロシア政府高官は、「われわれは北朝鮮は大嫌いで、あんな国家は地図上から消え去ってしまったほうがいいと腹の中で考えているが、アメリカが北朝鮮の原子炉を攻撃することになれば、ロシアを放射能汚染から守るために迎撃ミサイルを発射せざるをえなくなる。

 ロシアは北朝鮮の“弱者の恫喝(どうかつ)”に震え上がっているというのが正直なところだ」と自嘲(じちょう)気味に述べていた。

 「核クラブ」の関心は既に北朝鮮の核兵器・核技術の移転阻止に向いている。この点について、核実験直後に朝日新聞の西村陽一政治部長がひじょうに鋭い指摘をしている。

 「核実験は北東アジアを超えて、グローバルな脅威をもたらす引き金となるかもしれない。第一の懸念は平壌からテヘランへの連鎖反応だ。イランは北朝鮮の動きにじっと目をこらしてきた。

 北朝鮮を先行モデルに核開発を進めれば、中東の力関係は塗り替えられ、イスラエルとの軍事緊張が高まるだろう。/核の技術や物質が平壌から各地に拡散することも、大きな懸念材料だ。北朝鮮はすでにイランやパキスタンとの間にミサイル技術の取引網をつくった。

 核危機の波及や核技術の拡散。それは世界の不拡散体制の大きな後退である」(10月10日朝日新聞朝刊)。

 一昔前の朝日新聞ならば「北朝鮮との対話、理性と忍耐で問題解決へ」といった類の国際政治の現実とかみ合わない論評が出たであろうが、この西村論評はインテリジェンスの国際標準に合致した乾いた見方だ。

 日本国家として不拡散に対する明確な姿勢と具体的戦略を打ち出さないと、結果として、「核クラブ」からはしごを外される危険性がある。

 従来の惰性にもとづく対イラン友好政策を改め、平壌・テヘランを結ぶ「悪の枢軸」と決別する姿勢を日本は鮮明にすべきだ。そして、内閣情報調査室、外務省国際情報統括官組織がきちんと情報を共有して「核クラブ」諸国と本音の情報交換を行うことだ。
by sakura4987 | 2006-11-17 09:59

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