◆【社説】非常識な盧武鉉政権に挑戦する次期国防長官の常識 (朝鮮日報 06/11/18)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/18/20061118000035.html
次期国防長官に内定している金章洙(キム・ジャンス)氏は16日の人事聴聞会で、「北朝鮮が核を保有したことにより、南北間の軍事力の均衡が崩れたのは確かだ。これは韓国戦争(朝鮮戦争)以来最大の安保上の危機」と語った。
金章洙氏はまた、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が先月「北朝鮮が核を保有しても南北の軍事均衡は崩れない」と発言したことについて「同意しない。大統領も米国の「核の傘」の中に入ってこそ戦力の均衡が維持されるという意味で発言されたのではないかと思う」と語った。
金章洙氏は前職の国防長官らが戦時作戦統制権の単独行使に反対したことについても、「すでに選択の段階は過ぎたが、彼らの心からの懸念を十分参考にすべきだ」と語った。この発言もやはり「過去に国防を担当された方々がまったく反対の話をされているのが歯がゆい」という大統領の認識とは異なっている。
金章洙氏はまた、米国・日本・北朝鮮のうちどの国が韓半島(朝鮮半島)情勢を脅かしているかという質問に対し、「北朝鮮」と答えた。金章洙氏のこうした認識は、大統領が北朝鮮のミサイル発射問題に関して語った「韓国に向けられたものではない」という認識とはまさに対照的だ。
さらに金章洙氏は韓国が大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への参加を見送ったことについて、「PSI参加国らの失望を解消し、同盟関係の回復を図るべきだ」と語った。これは与党ヨルリン・ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)議長(代表にあたる)が、駐韓米国大使にPSIへの参加を促された際に、「韓国の自尊心を傷つける発言」と反論したのとは大違いだ。
金章洙氏のこれらの発言は、大韓民国の安保当局者として極めて正常で、健全な「常識」を代弁するものだ。問題はこうした彼の常識が、非常識が横行する盧武鉉政権の中で正常に機能するかどうかだ。
同じく次期統一部長官として金章洙氏とともに外交・安保政策を担当することになった李在禎(イ・ジェジョン)氏は17日、人事聴聞会で「韓国戦争が南侵(北朝鮮による韓国の侵略)だったと思うか」と質問され、「ここで規定するのは適切でない」と答え、議員の追及を受けると、「南侵だと思う」と答えた。
金正日(キム・ジョンイル)政権の機嫌を損なわないように、大韓民国の国民4800万人がいまだその直接的・間接的な傷から完全に癒えていない歴史的事実に対し、判断を留保したのだ。
李在禎氏はまた、国連の北朝鮮人権決議案について「これまで棄権してきたが、今回は国連事務総長に潘基文(パン・ギムン)が就任したこともあり賛成することになった」というとんでもない発言を行った。
このように常識とはかけ離れた考え方の人物で固められた現政権の外交・安保当局で、果たして金章洙氏のような常識的に思考する人物が正常に業務を行えるのかどうか、非常に心配なところだ。