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◆総務省「ネット規制」方針、濫用ないか監視が必要 (JANJAN 06/12/29)



http://www.janjan.jp/media/0612/0612297283/1.php

 毎日新聞によれば、総務省と業界団体は来年春から、インターネットにおけるプライバシー侵害並びに名誉棄損に対して、発信者の同意無くして発信者情報を開示するという(ただし不正や問題点の内部告発まで締め出す事の無い様にするとの事)ガイドラインを作成するとの事です(参照1)。

 これに対して、ネット掲示板「2ちゃんねる」に批判的なブログからは、「相次ぐ2ちゃんねる被害に対して、メディアだけでなく行政も重い腰を上げるようになってきた」と賞賛(参照2)、著名ブログ「きっこのブログ」も、良識ある人たちにとっては関係ない、といった趣旨で賛成の立場を取っています(参照3)。

 その一方で、右派系のブログからは、包括的な人権擁護を目的としながらも濫用が懸念されている「人権擁護法案」に関連して、「一般個人の人達は危なくて今後何も書けなくなります」と批判の声が上がり(参照4)、

 安倍晋三政権に批判的なブログからも、組織的犯罪防止を目的としながらも話し合っただけで罪を問われるとして批判を受けている「共謀罪」に関連して、「権力や企業側のサジ加減ひとつで個人情報を開示される可能性はあるということか?」と疑念が表明されています(参照5)。

 ネットにおける誹謗中傷に眉をひそめる方々、並びに実際に被害にあってきた方々にとってみれば、今回の総務省のガイドラインは歓迎すべきことでしょう。ただし問題は、権力による濫用の可能性はないか、と言う事に尽きます。

 共謀罪をめぐる政府の対応を見ると、その疑念を拭い去る事は出来ません。

 なにしろ、共謀罪導入の根拠として政府は、「国際組織犯罪防止条約」に基づく国内法整備として必要だと主張していますが、同条約を批准した米国が共謀罪導入を留保していた事が明らかになる位ですから(参照6)。

 今回の「ネット規制」に関しても、純粋な意味での「告発」が本当に保護されるのか、ひとまとめに「誹謗中傷」とされる恐れはないのか、疑念は尽きません。

 「自分は共産主義者ではなかったので何もしなかった。(中略)何事かをした。しかし、そのときにはすでに手遅れであった」 という、ナチスドイツに抵抗したマルティン・ニーメラー牧師の詩の通りになる可能性を否定してはなりません(参照7)し、

 共産主義を取り締まるという名目で全ての自由を否認した治安維持法の再来の恐れになる可能性も否定してはなりません(参照8)。

 ネット言論全体が規制される事の無い様、「自分には関係ない」という態度を取らずに、思想信条を超えて今回のガイドラインを監視していく必要があると考えます。

 と同時に、自分の首だけでなく他の人たちの首も絞める事の無い様、全てのネットユーザーの方たちには、自制心・自省心を持ってネットを利用する事が要求される時が来ているのです。
by sakura4987 | 2006-12-31 11:17

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