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◆【主張】財政再建 列島縮小へ危機感もて (産経 07/1/4)



 ■改革姿勢正して増税論議を

 市民税や下水道料金の引き上げなどで、負担増は夫婦子供2人の家庭で毎月1万3824円。小中学校を含め公共施設は必要最小限のものを除いて統廃合し、除雪作業も縮小する。

 市職員の給料は3割カットし、退職金は段階的に4分の1にする。職員数も3分の1近くに減らす。

 財政破綻(はたん)した北海道夕張市の再建策である。これを聞いて住民は次々と転居し、職員の早期希望退職者も予想を上回るペースで手を挙げている。極寒の地は例年にも増して厳しい新年を迎えたことだろう。

 ≪■あの夕張市より悪化≫

 人ごとではない。実は国の財政の方がもっと悪化していると知ったら驚く人も少なくあるまい。少し数字(昨年度ベース)で比較してみよう。

 夕張の長期債務残高550億円は一般財源57億円の9・6倍だ。これに対し国の長期債務残高は591兆円で、税収から地方交付税を除く財源が32兆円だから18倍に達する。

 この数字を見る限り、国はとうに破綻していて不思議ではない。増税や行政サービスの大幅削減はもちろん、大胆な公務員改革も実施していてしかるべきなのだが、なされていない。

 夕張破綻の主因は、公営事業などで返済不可能な借り入れを長年にわたって継続し、それを議会も住民もチェックしなかったことにある。国もまったく同じといってよい。

 安倍政権は初めて手がけた来年度予算案で新規国債の発行を大幅に減額し、基礎的財政収支の赤字を半減以下にしたと胸を張る。しかし、それは大半が税収増によるもので、歳出削減努力がもたらしたものではない。

 むしろ地方交付税は増加し、道路特定財源の一般財源化もすずめの涙だった。地方の基礎的収支が5兆円以上の黒字を出す一方で、国債残高は547兆円に増加、国内総生産(GDP)を上回っているのに、である。

 第2、第3の夕張を防ぐために地方を支援するとしたら大間違いだ。夕張の一般財源は自前の税がたった2割で、地方交付税という仕送りに依存し切って財政規律を失ったのである。

 思えば、国が地方の財源を丸抱えする構造は戦後一貫しており、低成長に入ってからも続いてきた。この10年をみても、国は地方の財源不足を50兆円も補填(ほてん)した。これがどれだけ国の財政を悪化させ地方の自立を妨げたか。

 今春の統一地方選と夏の参院選向けの歳出圧力が、財政規律を緩ませたのは間違いない。国債という借金は痛みを感じにくい。だから永田町は夕張市議会のように能天気でいられる。

 やっと小泉構造改革で「財政出動なき景気回復」を達成して税収が増えたとたんに、「地方対策だ」「企業減税だ」である。これを「上げ潮」というらしいが、まるで日本中で改革姿勢が弛緩(しかん)したかのようにみえる。

 すでに日本は人口減・少子高齢化という「列島縮小」時代に入った。先の合計特殊出生率の下方修正はこれに拍車をかけよう。その中での持続可能な社会保障制度の構築と財政再建の達成は途方もない難題なのである。


 ≪■財政は“経済安保”≫

 景気には雨の日もある。早期に基礎的財政収支を黒字化し、GDP比で国債残高を圧縮するには、昨年の「骨太の方針」が示したように増税が不可欠だ。財政悪化が進めば、悪い金利上昇で上げ潮どころではなくなる。

 安倍政権が積極的に進めるアジア諸国との経済連携協定(EPA)は市場を拡大するから、列島縮小をカバーする有効な方策になる。しかし、ここでも財政悪化はネックになる。

 自由な経済圏は通貨が安定してこそ効果的に機能する。円はその中心的役割を果たさねばならないが、先進国の中で突出して悪化した財政では主軸通貨としての信認を得られまい。

 貯蓄率の低下により国内で財政のファイナンスができず、外貨準備を積み上げる中国に日本国債が大量保有され、金融市場が左右される可能性だって皆無ではない。こうなると、財政は安全保障問題そのものである。

 選挙や一時の税収増に浮かれている場合ではない。日本の浮沈は財政再建にかかる。小泉改革を継承した安倍政権は、そうした危機感を持って今秋からの消費税論議に臨んでほしい。
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by sakura4987 | 2007-01-04 07:59

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