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◆【正論】裏千家前家元・千玄室 千利休への年賀状 (産経 07/1/5)



 ■平和のための一●のお茶


 ≪「和敬清寂」の精神≫

 今年も新しい年が明けました。「一●(わん)からピースフルネスを」という目標の下に日本はもちろん、世界各国に茶道を通じて「平和の心」を訴え続けてきて五十数年、最近、その効果が出てきた手応えを感じています。

 政治力・軍事力で世界の平和を築こうとしても、今日の人々のこころは「対立的要素」がまず先に立ち、なかなか解決はむずかしい。イラクの問題もそれをよく示していると思います。

 今一番大切なことは、あくまで精神的な包容力による、人と人との和やかな対話を通じた理解を基本に「和」の道を探ることではないでしょうか。

 茶祖、千利休居士は茶道のみならず、文化の指導者として、織豊時代(1500年代)に「和敬清寂」の精神を教示されました。

 その心は、人と和し(和)、人を敬い(敬)、清らかな心を持ち(清)、どんな時にでも動じない(寂)ということでした。

 それは、仏教や儒教、道教で説く人倫道徳の道です。

 鎌倉時代に宋の留学から帰った僧侶らが飲茶というものを伝え、室町時代に茶の湯として確立されていきました。それを利休居士は「礼」を重んじる「道」へと高めました。

 客と席主、すなわち賓(ひん)と主(しゅ)が一体になり、上下もなく互いに相手を思いやり敬う。茶道はその実践です。

 武士は武のみであれば必ず武の報復がありますが、武に文を加え持つなら、武を文の力でおさえることができます。そんな「一●の和」を求め、多くの武家が利休居士の門を叩(たた)いたのでした。


 ≪バチカンの古文書≫

 利休居士にとって茶道は、生き方そのものでした。朝鮮や中国まで遠征し制覇するという豊臣秀吉の野望を、秀吉の弟の秀長とともに、身をもって中止させようとしたのもその心にそったことでした。

 それが秀吉の怒りをかい、結局、天正19(1591)年に切腹を命ぜられることになりますが、身をていして無益な戦を止めようとした勇気に頭が下がります。

 現代をみますと、大国主義に陥り、自国の説が正しいと思い、あたかもヒーローの如く、力で事を抑えようとする「力の政治」が幅をきかせています。でももうそんな時代ではないのです。

 また、当時の大名弟子のほとんどがキリシタンに帰依していました。なかでも高山右近は最後まで改宗せず、「利休が謀叛(むほん)を起こそうとしている」と秀吉に讒訴(ざんそ)される口実となりました。

 私は先年、バチカンで御献茶をし、先の法王様に謁見し、「平和のための茶の心」をお話し申し上げる機会がありました。

 その折にバチカンのライブラリーにある「日本教会史」の話が出ました。天文18(1549)年にフランシスコ・ザビエルが布教のため来日した折、多くの伴天連(ばてれん)(司祭)が利休居士のもとを訪れ、茶会に参加したことなどが詳細に書かれている本です。

 この本はいま大半が日本語に翻訳されています。その中には、ザビエルが茶会に出席し、利休と対話し、茶の道の道たることどもを知り得たなど、茶に対する記録が多くあります。

 法王様は「茶の心は神の教えに通ずるものです」とおっしゃって、私の手を温かく握って下さいました。生涯の大きな思い出であり、このことが「平和のための一●のお茶」がいよいよ必要であるとの確信となりました。


 ≪「喫茶去」のすすめ≫

 唐の時代に趙州和尚という方がおられ、いつも誰にでも「喫茶去(きっさこ)」(まあ、お茶一服どうぞ)といわれていた。

 ある人が「和尚はどうして何時も喫茶去といわれるのか」と問うと、「喫茶去」と答えられた。そして、一●のお茶では争いにはならん。なごやかな場をもてるとさとされたのです。

 私の「一●からピースフルネスを」という心もこれに通じるものです。一緒にお茶をいただくことにより、世界の人々が仲良く手を貸し、助け合っていく心を持つことの大切さを知ってもらえるよう、日々努力しています。

 どんなところでもどんな人々でも、言葉、宗教、風俗すべてを乗り越えて、差別のない平和な心を、一●のお茶によってつくろうということです。

 国連は世界平和をめざして努力していますが、各国の利害関係や自国中心的な動きがめだちなかなかむずかしい。

 そんな中で、私は「日本・国連親善大使」として、「優しく他への思いやりがあり、平和である心を持つ」という日本の真の姿を少しでも多くの場で世界へ伝えたいと念じております。

●=怨の心を皿に
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by sakura4987 | 2007-01-06 13:57

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


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