◆海洋温度差発電「上県町棹崎沖が最適」 対馬 (長崎 07/1/14)
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070114/02.shtml
対馬北部沖で海洋温度差発電(OTEC)の可能性を探っていた対馬市は十三日、報告会を市内で開いた。
同発電の第一人者で市の委託で調査をした上原春男海洋温度差発電推進機構理事長(66)=同市出身=は「上県町棹崎沖が最適」と述べ、市民約二百人に「新たな産業や雇用の創出が期待できるので発電プラントの建設を」と提案した。
OTECは、太陽熱で温められた表層水と冷たい深層水との温度差を利用してタービンを回し発電する新技術。
二〇〇一年の調査で上県町沖の温度差が発電に適していることが判明。〇五年から上原氏らが同町棹崎沖で水温や海底地形、塩分濃度などを調べていた。
調査の結果▽OTECは太平洋では水深八〇〇-一〇〇〇メートルが必要だが、対馬は同二〇〇-三〇〇メートルの浅い所で可能で、極めて好条件▽温度差は夏は二〇度以上あるが、冬は一一度しかないため風力発電を併設した発電プラント建設が考えられる-とした。
将来、OTEC施設の誘致などが実現すれば産業の活性化になるが、事業には膨大な予算が伴うため市単独での実現は困難として、上原氏は「県や国に支援を仰ぎ、市が主体となって実行組織をつくってほしい」と呼び掛けた。
また、深層水にはミネラルを含み上質としてミネラルウオーターの製造や、ほかの海域よりリチウムが30%多く含まれていることからリチウムの採取なども振興策として提言した。