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◆イランに「宣戦布告」したブッシュ政権 (日経BP 07/1/18)



http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070116/117004/?P=1


 ≪■ブッシュ大統領のベーカー提言に対する回答≫

 ブッシュ大統領が1月10日に発表した新イラク政策では、リスクの高い増派オプションの有効性にマスコミや評論家の議論が集中した。

 その一方で、あまり注目されていないが、ブッシュ政権がイランとシリアに対して、改めて非常に強硬な姿勢を示した点は今後の中東情勢を見るうえで極めて重要である。

 「イラクの成功には、過激派の挑戦に直面しているイラクが、その領土の保全と地域の安定を守ることが不可欠な要素である。これにはイランとシリアに本気で対処することから始めなければならない。

 これらの2つのレジームは、彼らの領土を使ってテロリストや反乱勢力がイラクに自由に出入りするのを認めている。イランは米軍を攻撃するための物資面での支援をしている。我々はわが軍に対する攻撃を断固阻止する。

 我々はイランとシリアから(武装勢力への)支援の流れを遮断する。そしてイラクにおける我々の敵に対して先端兵器と訓練を提供しているネットワークを探し出して壊滅させる」

 これまで以上に強い口調であり、「イラクの安定のためにイランやシリアと直接交渉せよ」というジェームズ・ベーカー元国務長官等ワシントン政策コミュニティーにおける「現実主義者」の提言に対するブッシュ大統領の回答であった。


 ≪■ネグロポンテ情報長官はなぜ「更迭」されたか? ≫

 この発表に先立ってブッシュ大統領は中東政策にかかわるスタッフの人事を大幅に刷新したが、そこでも同政権のイラン、シリア政策の方向性が表れていた。

 特に米国の情報関係者たちの間で話題となっているのは、国家情報長官にジョン・ネグロポンテに代わりマイク・マコネルを任命した人事についてである。

 この背景には、イランの評価を巡りチェイニー副大統領とネグロポンテ元長官が激しく対立していたという事情があったというのだ。

 「我々の評価では、イランが核兵器を保有するまでにまだ何年も時間がかかる。恐らくは10年以上先になるのではないか」。これはネグロポンテ氏が昨年4月に述べたイラン核開発に関する「評価」である。

 これはイランを危険視して強硬策を取るべしと考えているチェイニー副大統領や、政権外で彼らを支援するネオコン派言論人たちの「評価」とは真っ向から対立する。

 実際にネオコン系シンクタンク「安全保障政策センター」のフランク・ギャフニー所長は、ネグロポンテ氏の解雇を声高に呼びかけ、とりわけネグロポンテ氏がイラクの大量破壊兵器に関してブッシュ政権強硬派の評価に疑問を呈していたインテリジェンス分析官を雇っている点を指摘していた。

 ネグロポンテ氏は国務省で情報分析をしていたトーマス・フィンガー氏と元IAEA(国際原子力機関)大使だったケネス・ブリル氏を分析スタッフの要職に就けているが、この2人ともブッシュ政権がイラク戦争前に大量破壊兵器の脅威を主張していた時に、その評価に疑問の声を上げていたのである。

 ギャフニー氏は、ネグロポンテ氏が「このように大統領の政策を積極的に妨げようとしている官僚たちを、政治的に重要な地位に昇格させているのは極めて問題である」としてネグロポンテ氏を痛烈に批判してきたのであった。

 米情報関係者たちの間では、「ネオコンたちがイランに対する先制攻撃への道を開くうえで、最初の戦いはネグロポンテを封じることだ」と言われてきた。

 それ故、情報コミュニティでは、ネグロポンテ氏に代わり「小物」のマコネル氏が任命されたことは、「チェイニー副大統領の言いなりになる」からではないかと見られているのである。

 かつてFBI(米連邦捜査局)で対テロ部門に所属したヴィンセント・カニストラロ氏は、この人事を「大惨事」と表現している。


 ≪■開始されたイランに対する「攻撃的な行動」≫

 「これは事実上、イラン、シリア両国に対する宣戦布告だ」。ブッシュ演説を聴いた米国のイラン専門家トリタ・パーシ氏はこうコメントした。

 ブッシュ政権の新イラク戦略は、パーシ氏が指摘しているように、イラクの隣国イランに対して一切妥協などせず、逆に「巻き返していくぞ」という宣言だったようだ。

 先週、米下院の軍事委員会で証言したゲーツ新国防長官は、「われわれはイランからイラクに入ってくる支援のネットワークを発見しそれを壊滅させるために、攻撃的な行動を開始している。そして米兵の生命を脅かす活動にかかわる連中は、イラクにおいて米国の行動のターゲットになるということを分からせる」と明確に述べている。

 そしてこの言葉を裏づける「攻撃的な行動」が先週末に明らかになった。1月11日の早朝、イラク駐留米軍の一部(恐らくは特殊部隊)がイラク北部のアルビルにあるイラン政府の連絡事務所を急襲し、5人のイラン人外交官の身柄を拘束したのである。

 米軍は、「イラクにおけるテロ活動にかかわっている容疑者だ」としているが、イラク政府の許可を受けてイラン政府の事実上の領事館として機能していたこの事務所に突入したのは、非常に強引な行動である。

 実際に米軍はアルビルの治安を管轄するクルド兵との間で2時間以上も一触即発の緊張した対立を経て、イラン政府の連絡事務所に強行突入したという。

 イラン政府は、「これは明確な国際法違反だ」としてこの米軍の行動を非難しているが、米国務省は「この連絡事務所が正式な領事館ではないため、事務所の敷地はイラン政府のテリトリーとは認められない」と主張している。

 またライス米国務長官は、「今回の軍事作戦はブッシュ大統領の承諾を得たもの」であり、今後もこうした攻撃的な行動を取ることを示唆している。

 ブッシュ政権は人事面でも対イラン強硬シフトを取り、イラクにおいてイランの影響力や干渉を排除するための攻撃的な軍事作戦を開始させている。

 ブッシュ大統領の事実上の「宣戦布告」を受けて、米国とイランの対立は、今後さらにエスカレートする。ブッシュ政権のイラクにおける「最後の賭け」は、否応なく中東地域全体を不安定にさせることになりそうである。
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by sakura4987 | 2007-01-19 08:02

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