★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆一人でもできる同和行政不正監視

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――解放同盟への補助金違法支出の取材から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[初出]月刊部落問題(2001年6月号)

http://www15.ocn.ne.jp/~almarid/works/huseikanshi.html#shimin

もくじ
市民に説明できない公金支出
ゴルフ、温泉、宴会三昧が実態
「参加意欲を高めるため」――温泉旅行の意義
だれでもできる不正調査活動


「タブー」。同和行政について、とくに部落解放同盟との関係でそれが語られる場合、しばしば使われることばだ。おそらく同和行政は、各地の自治体において、もっとも透明性の低い分野の一つにちがいない。たんに市民にたいして開かれていないというだけでなく、議会にたいしても、情報が十分公開されているとはいいがたい。たとえば、元副知事逮捕で連日新聞をにぎわせている高知県の不正融資事件は、そのことをきわめてわかりやすく示してくれている。

 しかしその一方、おそらく多くの人が想像しているほどの「タブー」は、もはや存在していないのではないか、とも思っている。わたしは京都市の同和行政と部落解放運動の現状の取材をはじめて八年になる。取材を通して、同和行政の密室性を日々感じているのは事実だが、一介のフリーライターという立場からでも、手間ひまさえ惜しまなければ、同和行政と運動団体の不正常な実態について、かなりのところまで知ることができたからだ(くわしくは、拙著『だれも書かなかった「部落」』『「同和」中毒都市』いずれもかもがわ出版刊参照)。

 本稿では、最近の取材で明らかになった行政と解放同盟との相変わらずの「共犯関係」の実態とともに、一人ででもできる同和行政不正調査の方法の経験を報告してみたい。


■市民に説明できない公金支出■



 一九九〇年代に入ってからおこなわれた三回の京都市長選挙において、同和問題は大きな争点になった。市民的な関心を呼び、体制側が防戦にまわらざるを得ないほど、許しがたい実態があった。特別立法自体が二〇〇二年三月で完全終結することを思えば、当然だが、そんな京都市の同和行政もここ数年で、規模はかなり縮小されてきているのはたしかだ。

 だが、相変わらず、全国的にみても異彩を放つ制度はいまだ「健在」だ。一定の人員内なら、運動団体(解放同盟・全解連)の推薦によって市職員に採用される同和「選考採用」(「雇用対策」として実施)、運動団体の会議や集会などの組織活動に運動団体所属の市職員が勤務中でも従事できる同和職免、年間約五〇〇〇万円にのぼる運動団体への同和事業助成金(補助金)――これが異彩のワースト3とでもいおうか(このうち、全解連は職免と補助金については自主的に返上している)。いずれも、制度の存在が広く公開されると、とうてい市民的合意の得られるはずのないものばかりだ。

 公的な「制度」とはとてもいえないが、家賃を二〇年以上滞納しても明け渡しを求められることなく居座ることが認められる改良住宅入居者の問題も、脱線したままの同和行政の実態を示す典型例といえるだろう。

 以下、最近になってその実態の一端がようやく明るみになった同和補助金について、紹介しよう。

 同和補助金は「京都市同和対策事業助成要綱」にもとづいて支出されるもので、その趣旨は「同和問題の解決に有効かつ適切と認められるものにたいする助成」(要綱第1条)とある。団体が実施する事業(学習会や夏祭り、敬老の集いなど)個々に、総経費の三分の二の範囲内で支出される。

 京都市が補助金交付の対象としているのは、解放同盟、全解連の両京都市協議会と各支部、それと金額・件数は少ないが、同和地区内の自治会など。全解連京都市協は一九九五年、同各支部は九六年からそれぞれ補助金を返上しているので、現在、運動団体で受給しているのは解放同盟のみである。

 京都市協分の補助金の詳細については、京都市は九六年頃から実態を公開してきたが、支部分については公開を拒否してきた。九七年九月、わたしが京都市公文書公開条例(情報公開条例)を活用して、運動団体支部宛ての補助金支出関連公文書(九七年度上半期分)の公開を求めたところ、市は事実上非公開の決定をくだしたのである。いつ、どこの支部が実施したどんな事業に、どれだけの補助金を出したのか、そのいっさいの公開を拒否したのだった。「公開することによって、運動団体との信頼関係が損なわれるおそれがある」というのがその理由。

 おかしな話だ。「同和問題の解決に有効かつ適切と認められる」立派な事業に市民の税金を使っておきながら、市民に何も公開できないのはなぜか。なぜ「信頼関係」が損なわれるというのか。


■ゴルフ、温泉、宴会三昧が実態■



 同和補助金支出の裏に、かなり大きな不正が隠されていると確信し、わたしは京都地裁に、京都市を相手取り公文書非公開決定の取り消しを求める訴えを起こした。

そして、二〇〇〇年一〇月、一審に続き大阪高裁でも「全面公開」を命じる判決が出る。京都市はこの判決を受け入れ、同年末、補助金支出に関する公文書を開示した。

 実態は、想像以上にひどかった。一口でいえば、解放同盟の高級旅館での温泉三昧に巨額の血税が湯水のごとく空費されていたのだ。

 京都市と京都市教委は、一九九七~一九九九年度の三年間に、解放同盟支部が実施した一一九件の行事(事業)にたいし、合計八〇九五万円の補助金(事業助成金)を交付していた。このうち六一件五四二二万円が、「学習事業」と銘打って解放同盟各支部が実施した旅行への交付だった。その行き先、補助金額は表のとおり。北陸を中心に全国各地の温泉、有名旅館、あるいはスキー場、ゴルフ場とセットになったホテルの名前がヅラリ並んでいたのだ。

〔事例1〕辰巳支部学習会:支部が市に提出した「事業実施計画書」「報告書」によると、九七年一二月一四~一六日実施。行き先和倉温泉(一泊二万円)。支部員三七人参加。「事業目的」は「部落解放三大闘争勝利に向けて、一層強固な運動が必要であり、学習会を取組み、奮闘していく」。二泊三日の日程中、学習会は二日目の一〇~一五時のみ。その学習テーマは「情勢報告」「同和対策事業の見直しの動きについて」など。学習会の講師は支部長、副支部長がつとめたことになっている。

〔事例2〕千本支部幹部学習会:同じく「計画書」「報告書」によると、九八年一一月三~四日実施。行き先は白浜温泉(一泊二万八〇〇〇円)。支部員一五〇人参加。「事業目的」は部落問題の完全解決に向けた解放理論を身に付け、資質の向上を図り、相互交流を通じて団結を強め、解放運動を発展させる」。移動の車中で「啓発ビデオ観賞」、一日目の一五~一八時に「千本のまちづくりについて」をテーマに学習。講師はいない。

 どの「学習会」もこんな調子だ。「決算報告書」によると、各事業とも、補助金は宿泊費や交通費だけでなく、旅館での懇親会、車中での飲食代(ビールとおつまみ?)の支払いにも充当されている。

 また、「報告書」をみるかぎり、各事業とも数時間程度学習会を開いていることになっているが、どうも疑わしい。市は学習事業内容を示す資料の提出を支部に求めているが、そんな資料は六一件中一枚もない。

 九八年度のある「学習」事業に参加した関係者は実態をこう語る。「宿についたらすぐにゴルフ場に直行ですわ。夜は宴会とカラオケ、それにマージャンもやったな。学習なんてだれがやりますかいな」

 わたしが法廷の場で争っている間、日本共産党京都市会議員団の独自調査で、解放同盟のいくつかの支部の温泉旅行に補助金支出されている事例が明るみになっていたので、ある程度は予想はしていたが、ひどすぎる。
 

■「参加意欲を高めるため」――温泉旅行の意義■



 ひどいのはこれだけではない。六一件の中には、そもそも架空の事業をでっち上げていたり、参加人数を水増しして、補助金をだまし取っていたケースも、その後の取材で明らかになった。

 わたしは今日の同和地区と解放運動において、「同和」の名を冠した特別の補助金制度実施の妥当性をまったく認めない。行き先が温泉でなくても、まじめに学習会がおこなわれていようと、そんなことにかかわりなく、これらは不必要な公金支出だと思う。

 しかし、そういう主張は抜きにしても、一民間団体が参加者を「身内」(=支部員)に限定した温泉旅行、レジャー、行楽に、年間数千万円もの血税が「同和問題の解決」を題目に空費され続けてきた事実は、とうてい容認できるものではない。京都市はいったいこの実態を市民にどう説明するつもりなのか。

 温泉旅行への同和補助金は違法支出だとして市民が起こした補助金の返還を求める監査請求にたいし、京都市監査委員は今年三月、次のように回答している。

「(温泉地での学習事業は)参加者の参加意欲を高め、またその事業効果を高めるために行われているものであり、これによって、大きな成果を挙げてきたことが認められることから、必ずしも妥当性を欠く違法不当なものということはできない」

 税金で温泉につかる状況を常態化させておいて、いったいどんな「事業効果」を高めたというのか。

 もう一方の当事者、解放同盟側(市協事務局長)もわたしの取材にこう反論している。

「全体として部落の経済状況は向上しているが、階層化が進み同盟費も払えない住民もいる。また地区内では高齢化が進み、困難を抱えてUターンしてくる人も増えてきている。われわれとしても行政から自立した運動をつくっていかなくてはならないと思っているが、今も行政としての支援を必要としている実態は残っている」

 今年四月、温泉旅行に公金を支出したのは違法だとして、一九九七~九九年度の三年間六一件約五四〇〇万円の返還を、京都市長ら関係職員に求める住民訴訟がはじまった。ムダに使われた公金を取り戻すことはもとより、裁判を通じて同和補助金の実態、行政と解放同盟の歪んだ「信頼関係」を解明していきたいと思っている。


■だれでもできる不正調査活動■



 すでにふれたが、わたしは以上の事実を、おもに情報公開条例を駆使して、市みずからが作成、保管している公文書を入手することによって確認した。情報公開条例を使った各地の市民オンブズマン活動(行政監視)は、国政も揺り動かす重要な成果をあげているが、同和行政の不正監視活動にも、この方法が使うべきだと思う。これのもっともいいところは、だれでもできる、一人でもできるということだ。支援のため団体まわりする必要もなければ、会議を開いたりすることもない。

 もちろん情報公開条例は万能ではない。行政にとって都合の悪い情報は、あれこれ理由をつけて公開しないこともあるだろう。また、市民の側は行政にどんな公文書が存在しているか前もって知ることができないこともあり、すぐにめざす情報が記載された公文書に行き当たらないことも多い。だがそれでも、時間をかけて請求をくりかえしていけばかなりの情報は蓄積されていくはずだ。

 記者クラブ加盟の記者でもなく、市会議員のような調査権限もない一市民が、同和対策課の窓口に行き、「同和補助金の公文書を見せて欲しい」「同和選考採用のことを知りたい」といくらねじ込んでも、応じてもらえる可能性はきわめて低いだろう。だが、情報公開条例の手続きにのっとって請求すれば、行政のほうはそれに応えなければならない義務が生じる。たとえ公文書を公開しない場合でもその理由を市民に説明する責任がある。

 また、最終的に「非公開」決定がくだされたとしても、その取り消しを求めて裁判に出ることもできる。裁判といっても、情報公開訴訟の場合、そうたいそうなものではない。弁護士を頼んだり、とくに専門知識がいるわけでもない。費用も提訴時に印紙八七〇〇円分を添付するだけである(この費用は勝訴したら返却される)。非公開決定の妥当性を立証するのは行政のほうだ。こちらはただたんに「常識から考えて納得がいかない」程度の反論をくりかえしていればよいのだ(実際には多少はリクツめいたことをいわなければならないが)。事実わたしは、自由法曹団の弁護士や共産党市議などの助言を受けながらも、基本的には一人で法廷にのぞみ、完全勝訴を果たすことができた。

 時間がかかるのが難点だが、しかし、本当に知りたい情報、光を当てたい闇があるのなら、試みてみる価値は高いと、わたしは思う。

 次に、情報の活用について。せっかく得た情報も、公表しなければ意味がない。同和行政の不正について、掲載してくれるメディアなんてあるのか。わたしの場合、『ねっとわーく京都』という京都市職労のバックアップで刊行されている月刊誌に書くことができたので幸いだったが、そういう媒体がなくても発表の方法はいくつかある。

 まず第一に、記者クラブで記者会見を開くことだ。市役所内に市政記者クラブというのがあるので、そこに事前に会見を申し込めばよい。「同和」「解同がらみ」の不正をマスコミが記事にするものか、と決め付けてはいけない。わたしも実行してみて認識を新たにしたが、会見を開けば必ず記事にしてくれるものだ。うれしいことではないが、わたしが『ねっとわーく京都』に書いた詳細なレポートよりも、朝日新聞や京都新聞に載るベタ記事のほうが、反響ははるかに大きい。

 第二の発表方法として、インターネットの利用がある。ホームページをつくって、明らかになった情報を載せたり、電子メールマガジンを発行することもできる。メールマガジンは、無料で宣伝、配信代行してくれる業者があるので、そこを利用することをもできる(わたしもメールマガジンをつくり、専門業者を利用して配信している)。

 とはいえ、マスコミに載る記事はともかく、個人がインターネットで発信する情報が、どれほどの効果があるか、わたしにはわからない。おそらく、行政や運動団体の不正行為の抑止力までには到っていないだろう。だが、もし税金の使われ方に疑問なり納得のいかないものを感じることがあるのなら、たとえ無力でも、異議申し立てをするべきだと思う。
[PR]
by sakura4987 | 2007-03-11 09:01

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987