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◆専守防衛、抑止力にならず 本土決戦招く危険



 【野口裕之の安全保障読本】 (産経 07/7/27)


 日本語は難しい。とりわけ、安全保障にかかわる表現・用語は難解を通り越して奇っ怪でさえある。防衛白書は毎年、日本の防衛力について「抑止力」を訴えながら「周辺諸国の脅威にならない」とも力説している。だが、仮想敵国が「脅威」に感じない防衛力・兵器が「抑止力」を生み出すはずがない。


 わが国は「専守防衛」なる国是(?)の下、戦闘機も、輸送機も、各種ミサイルも、本土とその周辺での作戦行動しかできないよう開発・導入されている。F4EJ戦闘機はかつて、爆撃照準コンピューターを外し、対地攻撃訓練をマニュアルで行っていたほか、航続距離を延ばす空中給油装置まで除去。余分な税金を使い、わざわざ性能をダウンさせている。野党の「周辺諸国に脅威を与える」という批判を、安易にのんだ結果だった。戦後60年、平和が保てたのは自衛隊の努力のほか、日米同盟の存在と僥倖(ぎょうこう)の連続であったという他ない。


 ロンドン支局長時代の2001年秋、米中枢同時テロに端を発したアフガニスタンでの対テロ戦争が勃発(ぼっぱつ)。戦況を把握する必要から英国防省に通った。その際、日本の参戦の可能性を問われて「専守防衛」を説明することが何と難しかったことか。米軍人でも在日経験のない欧州軍所属である場合、けげんな顔をされた。世界中の陸空軍士官学校や海軍兵学校で「専守防衛」なる“戦略”を教えているのは、日本の防衛大学校だけだろうから無理もない。


 「専守防衛」は軍事用語ではない。軍事的にあり得ない、人為・政治的に捏造(ねつぞう)された虚構であり、防衛力整備を少しでも遅らせまいとした政府側が、国会答弁の中で“開発”したウルトラCだった。国会用語でとどまるのなら、ここまで日本の防衛力や自衛隊による国際協力の手足を縛ってこなかった。


 ところが昭和45年、中曽根康弘・防衛庁長官時代の防衛白書で「わが国の防衛は、専守防衛を本旨とする」とやってしまった。これが、いつの間にかひとり歩きし、批判を許さない、ときに「国家防衛の基本方針」であるかのように、また「国是」であるかのように君臨し続けてきた。


 ジョン・ウッドワード退役英海軍大将へのインタビューを思いだした。


 ウッドワード提督は南大西洋の英領フォークランドがアルゼンチン軍に占領された当時の、奪回作戦総司令官だった。取材時間の大半を費やし「専守防衛」を理解させると、次のような言葉が返ってきた。


 「英国の場合、外部からの脅威にさらされたら『何らかの行動』を起こさねばならない。迎撃は本土からできる限り遠くで実施するのが、英戦略の基本を構成している」


 「何らかの行動」には当然、国際法上も許されている「先制攻撃」も含まれる。国土を焦土にし、国民の生命・財産を戦争に巻き込む、まるで「1億総玉砕」の下に準備された戦前の本土決戦思想を想起させる「専守防衛」に比して、英戦略は対極に位置している。提督は話を続けた。


 「日本は経済力を外交に利用するが、それは時に相手に通じない。拡張主義や暴力的傾向のある国と交渉する際、外交以外の力を活用、主張に耳を傾けさせるべきだ」


 民主国家においても、軍事の活用は外交の重要な構成要件の1つとの認識を示したものだ。「周辺諸国に脅威を与える」として、“盾の装備”に特化・抑制してきたわが国の場合、北朝鮮などに対する効果的な抑止力が発揮できない。拉致問題の進展など、外交のテコにも成り得ない。そういうことになる。政治・外交と軍事の相互依存関係が、世界の現実と日本ではあまりにかけ離れている。


 そもそも戦後、国連を「軍事機構」として立ち上げた連合国側は、日本国民のように国連に“世界政府的役割”など期待しない。国連は「軍事を含めた外交闘争の舞台」で、安全保障理事会は「軍議の場」でもあるからだ。


 国際平和のため、軍事力を行使できる国ということが、安保理常任理事国の事実上の資格の1つであることは現実なのである。「日本の常任理事国入りならず」という、新聞の見出しを予想したかのような提督の言葉がまた、きつかった。


 「世界で重要な位置を占めることができない現実について、日本は考えてほしい」
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by sakura4987 | 2007-08-01 10:18

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