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◆【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(10)招き入れる「トロイの木馬」



 (産経 07/7/25)


 5月下旬、北京の釣魚台迎賓館で開かれた「日中産業科学技術交流シンポジウム」は、看板に偽りありといえる内容だった。なぜか。日本の官民が、中国企業の東京証券取引所の上場を要請する場だったからだ。


 日本側からは内閣府の田村耕太郎経済財政政策担当政務官、東京証券取引所の西室泰三社長(現会長)のほか、金融庁、経済産業省、証券各社幹部が、中国側は政府や証券、金融界の重鎮がそれぞれ参加した。


 「日本の金融国際化のために、あなた方の力添えを頂きたい。ぜひとも日本の証券市場で上場を」と陳情するのは日本の要人たち。西室氏は半年間で4回ほど中国に足を運び、中国企業の東証上場誘致運動の先頭に立ってきた。これに対し、中国証券業協会首脳は「われわれの目標は世界。でも安心しなさい。日本に年間で10社から20社くらい上場できる」と鷹揚(おうよう)なところをみせた。


 冷静に見ると、まともな上場企業は中国で育ちにくい。政府機関が上場企業の株式の7割を保有し、おまけに国有企業同士が株の持ち合いをしている。流通株が少なく、党幹部は株価を操縦しやすい。上海市場は昨年1年間で2・3倍も平均株価が上昇し、2月には暴落したが、その後は「党は株価を維持する」と、信じる個人投資家が株買いに狂奔する。


 そんな中国企業の問題点に目を向けるだけのゆとりは東証にはない。90年代のバブル崩壊不況を背景に不振が長引いた証券市場。その打開策として新興企業を上場させたが、上場基準の甘さからでたらめの横行を許した。警察庁の調べでは組織暴力団により少なからぬ数の上場企業が「汚染」されている。


 特に、マザーズ、ジャスダック、大阪証券取引所のヘラクレスといったいわゆる新興市場上場企業の質の悪さが目立つ。決算発表では当初の増益見通しを減益に修正したり、土壇場で発表を延期するのは日常茶飯事。これでは、幅広い投資家層からそっぽを向かれてしまう。おまけに証券取引のグローバル化で、世界の取引所間の競争が激化しており、高度成長を続ける中国の企業は引く手あまただ。とにかく、日本に来てもらおうと、東証も政府も下手に出る。


 中国の国有企業の多くは党、軍と直結している。人民解放軍傘下には軍需企業のほか、情報通信、製薬、ホテルなどさまざまな業種が集まっている。軍系企業が他の国有企業と資本、人事で交流する。戦略思考がある指導者なら、表看板を民生用の企業として日本の証券市場で足場を築き、日本のハイテクや軍民両用技術を持つ企業を取り込めと指示するだろう。


 中国の軍事問題に詳しい阿部純一・霞山会主任研究員は「中国の大手企業が東証に上場すれば、日本のハイテクや軍需産業と接触する。日本の軍需産業は米国の技術に最も接しており、日本企業買収で、合法的に米軍需産業の重要機密も手に入れることも可能だ」と警告する。


 その昔、トロイは城門の外から引っ張り込んだ巨大な木馬に潜むギリシャ軍に急襲されて滅んだ。日本は今、自身の甘さゆえに中国版「トロイの木馬」を招き入れようとしている。



 ≪解放軍系企業にも懇願≫


 不用意な日本は、随所に見られる。今年3月、中国国務院(政府)発展研究センター企業研究所と日本の経済産業省、財務省など官民が協力して東京で民間主催の「中国最高経営者教育プログラム」が開かれた。


 日本での株式上場に関心を持つ中国大手企業43社の最高経営責任者(CEO)が参加した。業種は建設、エネルギー、航空、食品、物流、漢方薬など多彩で、いずれも売り上げを急速に伸ばしている。その中でも従業員数や資産規模が際立って大きいのが中国の建設業界2位の「中国鉄道建築総公司」と航空機販売の「中国航空技術輸出入総公司」。一見すると、「平和産業」のようだが、実は両社とも人民解放軍との縁が深い。


 鉄道建築総公司の前身は、1948年設立の人民解放軍鉄道部隊である。航空技術輸出入総公司は経営内容が異なっていても、戦闘機を開発製造する中国航空工業グループ傘下にある軍直属企業と同じ国策のもとに活動している。国内紛争が続いているアフリカなどに軍用機を輸出し、「中国軍事外交の要」と日本側に紹介された。


 東証関係者は中国企業の上場誘致に関し、「IT分野に代表される新産業、成長企業にターゲットを絞っている」として、軍や党とつながりの深い企業は積極誘致の対象にはならないと強調。また、「当然、外為法違反など反社会的企業の上場は認めない」方向だ。 経済産業省は外国為替管理法を改正し、軍民両用技術など業種を決めて許可制にする意向だが、基本的には経産官僚の裁量行政に任されている。 誘致運動の片棒を担いでいる経産省が同時に許認可するという奇妙な仕組みがある。上記の企業のように鉄道建設や航空機販売業であれば、企業の上場を水際で拒む理由はないだろう。


 日本のIT企業の多くの技術は軍事に応用できるが、「日本企業や経産省、防衛省は軍事転用が可能と気付いていないケースが多い」と米国防総省関係者は指摘する。


 米国では、相手がたとえ、日本のような同盟国であっても、議会が国家安全保障を盾に外国企業による企業の合併・買収(M&A)を阻止する。 無防備な市場国家・日本なのである。日本は5月に「三角合併」を解禁した。このM&A手法の決め手になるのは、自身の株式そのものである。日本に設立した子会社が親会社の株式を使って日本企業を買収できる。


 つまり自社の株価に発行株式数を乗じた時価総額が財力となる。その点でも中国の国有企業の多くが日本企業を圧倒する。国有商業銀行は北京から、世界一の外貨準備の一部の注入を受けて、不良債権を償却して財務内容を改善する。それで香港、上海と上場し、投資家の人気を集めて株価を引き上げる。時価総額は膨らむ一方だ。


 国有商業銀行最大手の中国工商銀行の時価総額はみずほフィナンシャルグループの3倍近い。


 中国最大のエネルギー会社、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)の時価総額は、日本の石油会社で時価総額が最大の国際石油開発帝石ホールディングスの10倍以上だ。


 優位にある中国企業をさらに利するのを承知で、日本の証券市場は中国企業の上場を懇願するしかないのである。
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by sakura4987 | 2007-08-01 10:41

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