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◆【美しい言葉】洟垂れ小僧 50歳は折り返し地点



 (産経 07/8/23)


 我が父が90歳の誕生日を迎えた。卒寿である。何も人生を卒業したわけではなく、略字の「卆」を分解すると「九」「十」になるからだ。数え年が本来だからもっと早く祝わなければいけなかったのだが、五十歳ちょっとの不肖の息子はうっかりしていた。
 折も折、「『四十、五十は洟(はな)垂れ小僧』とはだれが言ったんでしょうね」と若い友人に尋ねられた。「おおかた、森繁久弥あたりじゃあないのかな」などといい加減な答えをしたが、なんとなく気になる。


 何冊かのことわざ辞典などで調べたが載っていない。いろいろあたってみると、「四十、五十は洟垂れ小僧」には続きがあって「六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ」というのだそうだ。残念ながら出処は不明。


 だが、何事にも上には上がある。日本の古典的木彫り彫刻の伝統を引き継いだ平櫛田中(ひらくしでんちゅう)は明治5年生まれ。傑作「鏡獅子」が代表作。昭和54年に107歳で亡くなった。その晩年の語録がなかなか面白い。


 「今日もお仕事、おまんまうまいよ、びんぼうごくらく、なが生きするよ」「人間いたずらに多事、人生いたずらに年をとる。いまやらねばいつできる、わしがやらねばたれがやる」。そして「六十、七十は洟垂れ小僧、男ざかりは百から百から」というのだ。


 田中にいわせれば、五十歳はまだまだ洟垂れ小僧にもなっていないのである。人生折り返し地点かと思うとため息が出るのだった。
by sakura4987 | 2007-08-25 15:22

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