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◆北朝鮮より劣る? 日本の電子政府 (日経BP 07/8/21)



 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070817/132296/

 
 米ブラウン大学の電子政府ランキングが最近発表された。私はそれを見て大変なショックを受けた。同時に、日頃から「美しい国」の電子政府に疑問を抱いている私は「やはりね」という思いを募らせた。 



 昨年は8位であった日本のランクが、何と40位に落ちたのだ。39位が北朝鮮というのもショックだった。日本の電子政府は北朝鮮よりも劣っているらしい。ちなみにランキング1位は昨年に引き続き韓国、2位、3位はシンガポール、台湾と、アジア勢が上位を占める。 


 4位が米国、5位が英国、6位がカナダといったあたりは、いつもの顔ぶれである。日本より上位で私が個人的に気になったのは、39位の北朝鮮以外に32位のアゼルバイジャン、34位のブータン、35位のコスタリカ、37位のエチオピア、38位のガボンなど。また、日本より下位で気になるのは、フランスの43位、中国の51位あたりだろうか。 



■「官僚視点」でしか作られていない



 元来、電子政府ランキング自体には様々な議論がある。よく引き合いに出されるアクセンチュアの2005年ランキングでは、日本は5位であった。その前に発表された2003年の国連ランキングでは18位だったので、IT(情報技術)改革戦略を主導する政府関係者も胸をなで下ろした経緯がある。 



 一方、米ブラウン大学のランキングは、ホームページの使い勝手や機能を重視しており、また大学の学生が評価に参加していることもあって、そのランキング自体を疑問視する声もある。私が客員教授をしていた早稲田大学はそれら複数のランキングの諸論点を整理して、独自のランキングを2005年12月に発表した。それによると日本は4位にランクされていた。 



 しかし、このコラムで発表したように日頃からe-Tax(正式名称は「国税電子申告・納税システム」)や電子入札で悪戦苦闘している私から見ると、ホームページの使いやすさや機能こそが国民視点の評価のように思えてならない。学生が使ってみて使いづらいサイトは我々にも使いづらいだろう。私の体験では、我慢強い日本人にもe-Taxや電子入札は明らかに使いづらく、ましてや外国の方々にとっては全く使い物にならないに違いない。 



 ブラウン大学政治学部教授、トーブマン公共政策センター所長を務めるダーレル・ウェスト氏によると、電子政府の現在の主流は「サービス型電子政府」なのだそうだ。ところが日本の電子政府には、「サービス」が決定的に欠けている。 



 ウェスト氏は、昨年日本が8位にランクインした時のインタビューで、次のようにコメントしている。「日本の電子政府では、一般的にクレジットカードを含めてオンライン決済はできず、電子サービスの種類も一握りしかない。電子サービスの分野では隣国でランキング1位の韓国に大きく水をあけられている。またデザイン面でも工夫が必要だろう。韓国と比べると、サイトの使い勝手は悪い」。私は全くその通りだと思う。 



 結局、日本の電子政府は、官僚視点でしか作られていない。国民の使い勝手よりも官僚の都合が優先されているのだ。官僚の都合とは、「政府が言うから仕方なくやるしかない」「取りあえず、現在の手続きをそのまま電子化しよう」「最高レベルのセキュリティー機能を組み込んでおけば、後々問題になることはないだろう」「予算の制限があるから、事情をよく知っている既存のベンダーに手っ取り早くやらせよう」といったところだ。 


■e-Taxシステムの構築費が1万円?


 このような官僚のやる気のなさにつけ込んで、システム開発を請け負うベンダーも甘い汁を吸っている。実際、e-Taxの実験システム構築は、2000年7月に、ある大手ベンダーが、何と1万円で落札した。この時の予算は5億5000万円だったそうだ。この低価格入札には、もちろん公正取引委員会から口頭注意があった。翌年の同シテスムの設計開発は、同社が9億8000万円で落札した。この時の予算は17億円以上だったという。 



 この数字だけを見ていると、e-Taxのシステム構築は同社にとって利益の出る「甘い汁」ではない。だから私もうっかりしていたのだが、今年5月の調達結果を見てカラクリが明らかになった。 



 今年の調達では、運用支援で6億1600万円、開発改修で25億5700万円も同社が落札しているのだ。つまり、実験システムを1万円で落札しておけば、もう他の業者は現実的に立ち入り不可能となり、その後の保守運用フェーズで思う存分に稼ぐことができるというわけだ。規模は比較的小さいが、社会保険庁や特許庁で行われていたのと同様の図式が、ここでも行われていた。 



 私は様々な大手ベンダーと情報交換をしているが、どうやら他の電子政府システムでも似たような調達が行われているらしい(もちろん、政府もこれを黙って見過ごしているわけではなく、7月から施行された新調達ガイドラインではかなり厳しく調達制限を加えている)。 


 国民の視点で考えれば、当初1万円で作られたシステムが使い勝手のよいものになっているはずがない。官僚と大手ベンダーには猛省を促したい。 



■安倍首相にとってITは過去の話なのか



 また、政府与党にも問題がある。昨年安倍内閣になってから、「IT担当大臣」がいないのだ。よくよく調べてみたら、内閣府特命担当の高市早苗大臣が持つ13ほどの職掌範囲にITがあるらしい。高市大臣がメディアで紹介される際には、ほとんど「沖縄北方担当大臣」の肩書きなので、国民の目からみれば分かりづらい。e-Japan政策で一応ブロードバンドインフラは整備されたので、安倍首相はもうITを重要視していないのだろうか? このように政府のITに関するタガが外れたような状況が、前述のような大手ベンダーのやり口を許してしまう一因になってはいまいか。 



 私は、情報省(IT省)の誕生を願ってやまない。少なくとも専任の、しかもITの分かるIT担当大臣を次の内閣改造では誕生させてほしい。そのIT担当大臣の号令で、全面的に電子政府を見直していただきたい。
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by sakura4987 | 2007-08-25 15:38

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