◆南北首脳会談:すべてが北朝鮮の思惑通りに(上) (朝鮮日報 07/8/14)
http://www.chosunonline.com/article/20070814000022
第2回南北首脳会談開催にあたり、韓国政府は何かにつけて北朝鮮に振り回されている。国防部は13日、「縮小・延期は検討していない」としていた韓米合同軍事演習「乙支フォーカスレンズ」(UFL)を、北朝鮮側の要求通り縮小した。UFL期間(20~31日)に実施することにしていた韓国軍の機動演習や、公務員の軍人員・物資支援点検訓練である「忠武演習」を延期することに決めたのだ。
これまで国防部関係者は非公式的ながらも「UFLは韓米同盟と直結する重大な事案なので予定通り実施すべきで、その方向で政府内の意見もまとまっている」との見解を示してきた。
UFLの縮小・延期の有無を問う質問に対し、国防部のキム・ヒョンギ報道官は10日、「UFLは南北首脳会談発表前に決めた事項。(縮小・延期は)これまで検討されたことがない」と述べた。また国防部のカン・ヨンヒ広報チーム長も「演習調整に関し、現在までいかなる検討も行われていないということは明白な事実である」と強調した。
軍の消息筋は「金章洙(キム・ジャンス)国防長官は先週大統領府で開かれた安保政策調整会議で、“予定通りに(UFL演習を)行わ)なければ、韓米同盟などの面で一大事が起きる”と強調、これが政府レベルで受け入れられたものとみられる」と伝えた。しかし北朝鮮は10日、朝鮮人民軍の板門店代表部名義で声明を出し、UFLに対し強力に反発してからわずか3日で、韓国側が縮小を発表したことになる。
それだけではない。南北首脳会談の実現の過程でも、政府は北朝鮮の要求をほぼその通り受け入れている。
当初、南北首脳会談を8月に行おうという北朝鮮に対し、韓国側は9月開催を提示していたと言われている。開催場所も韓国は開城・白頭山・金剛山など、平壌以外の場所を提案したが、希望を押し通せなかったという。
◆南北首脳会談:すべてが北朝鮮の思惑通りに(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070814000023
また、交渉場所も慣例を無視し、韓国が北朝鮮側を訪問するばかりになっている。これまで国家情報院の金万福(キム・マンボク)院長が2回とも平壌を訪れた。1972年の南北共同声明発表のときは、李厚洛(イ・フラク)当時中央情報部長と、金英柱(イ・ヨンジュ)朝鮮労働党組織指導部長がそれぞれ2回ずつソウルと平壌を互いに訪問した。一方、2000年の南北首脳会談の交渉場所は中国・北京や上海など、第3国だった。
また、このときの南北共同宣言によると、今回は金正日(キム・ジョンイル)総書記が答礼訪問する番だが、再び韓国側の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が平壌に行くことになった。これも北朝鮮の希望通りになったものだ。
その上、南北首脳会談の準備接触も北朝鮮が希望していた日程で開かれることになった。当初、政府は13日の開催を北朝鮮側に提案したが、北は理由をまったく明らかにしないまま「14日」と一方的に通知してきた。2000年の南北首脳会談のときは韓国側が提示した準備接触の日程を北朝鮮側が直ちに受け入れた。北朝鮮専門家の南柱洪(ナム・ジュホン)京畿大学教授は「準備段階から北朝鮮側に振り回されている。こうしたことが本会談まで続くのではと懸念される」と語った。

