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◆【やばいぞ日本】第2部 資源ウオーズ(8)「したたかさ足りない」





 石油・ガスパイプライン用の日本製特殊鋼鉄製パイプを売る日本人商社マンは、石油バブルに沸く対ロシアビジネスの活況ぶりをこう説明する。「1年以上先まで予約がいっぱい。注文を受けても製造が追いつかない。5年前に誰がこんな状況になると想像できたでしょうか」

 ロシアは、高騰する豊富なエネルギー資源をテコに、ソ連崩壊で甚大な打撃を受けた経済と国家機構を着実に復興させている。それに伴い日本などの外国企業に活躍のチャンスが到来している。とくにパイプを含め建設機械や自動車など日本の商品は、ブランド力に加え、品質、性能から飛ぶように売れる。

 しかし、その商社マンは「売れて売れて困る」ほど業績が伸びているのに、なぜか浮かぬ顔だ。

 理由を尋ねると、世界を牛耳るエネルギー帝国を目指し動き始めたロシアの力の根源である石油や天然ガスの開発分野に、日本は十分に食い込めていないからという。

 「日本は、欧米や中国と異なってクレムリンにコネがない。“虎の穴”に入ろうというハングリー精神も失っている。資源のない日本がロシアでの権益確保をあきらめ、『石油は世界の市場で買えばいい』と、初めから防戦に回っている。これでは、100年たっても日本はロシアのエネルギーに食い込めない」

 同氏はソ連時代からロシアの石油・ガス業界と付き合って30年になる。こう危機感を述べたあとで、もう一つの「憂鬱(ゆううつ)」にも言及した。同氏が、ソ連崩壊後、独立し豊富なエネルギーで急成長し始めた中央アジアに商談で出かけて、目にする中国の急激な伸長ぶりである。

 中国はいまや、その経済成長に必要なエネルギーをかつての兄貴分のロシアと競い、貪欲(どんよく)に買いあさり優位に立つ。争いの場は、旧ソ連圏のカザフスタンやトルクメニスタンなど中央アジアの新興エネルギー大国だ。

 しかも、ロシアの国営石油ロスネフチとも戦略的な協力関係を結び、未開の東シベリア油田や天然ガス田の権益確保にも動く。ロシアの反中国感情という逆風が吹く中で失敗も多い。それでも、したたかに、静かにロシアに浸透するのが“中国流”というわけだ。

 日本には、中国のような巨大国営石油企業はないし、経済の状況も異なる。だが、この日本人商社マンは「中国のしたたかさに学ぶべきだ」と手厳しい。

 資源争奪戦が過熱し始めた大変革の時代、それまでのルールや中露の蜜月関係さえ、国際情勢や経済競争の下で変化し、時に短期間で激変する。 

 「その端緒をいち早くつかみ適切に対応した者だけが、生き残ることができる。外から傍観するだけでは、潮目を読み動くことはできない」。ロシアの資源最前線で長年生きてきた同氏が得た教訓である。

 しかし、日本の対ロシア外交は、ロシアの変化の潮目を読み、手を打っているとはとてもいえない状況なのである。(内藤泰朗)


思考停止になった対露外交

 ソ連崩壊後、日本政府が対ロシア関係を動かそうとした時代があった。外交官たちは、ロシア高官らの情報を求めて昼夜飛び回り、交渉を前進させようと努力した。

 だが、いまは、特別な場合以外、残業することはほとんどなくなったという。ある若手の外交官は「昔は大変だったが、目的意識がはっきりして、充実していた。いまはやる気が起きない」とこぼす。

 ロシアとの北方領土交渉は事実上、凍結状態にある。ロシア側が日本の商社を含む外資主導で完成間近にあった石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の経営権を半ば強制的に“横取り”した事件が痛い。

 中東へのエネルギー依存を低下させるとして打ち出したロシアとのエネルギー協力も、これらの影響で「最低限の範囲内」でしかない。それで「一種のあきらめのような感覚が、外交当局を支配している」という。

 だが、日本の「外交の武器」は山ほどある。

 例えば、(1)外交の中心だった支援事業の見直しと統廃合を進める(2)対等なパートナーとしてエネルギーに重点を置いた協力事業を再選定する(3)国際司法機関への提訴など資源をめぐり今後起こりうる紛争の処理機能を強化する(4)弱体化している広報機能を強化し、人材を発掘し育成する-などだ。日本外交の無力化を嘆いていても問題はなにも解決しない。

 ロシア政府はこの春、経済省庁が中心となり、13年後の2020年に向けた長期的な国家発展計画をまとめた。計画によると、経済規模で世界の10指にも入らないロシアは13年後、現在世界第2位の経済大国、日本に追いつき、5本の指に入る経済大国になる。

 プーチン大統領は、政府が計画実現に不可欠な戦略的発展法案を早急に準備するよう求めた。実際には、貧富の差の拡大や汚職の蔓延(まんえん)など問題が山積し、その行方には大きな壁が立ちはだかっている。だが、エネルギー高騰を追い風に、ロシアの高度経済成長が当面続く可能性は高い。

 「ロシアの資源はロシア国民のもの」という資源ナショナリズムがさらに高揚し、その強気が一層強まる可能性もある。

 いまのロシアは旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏ら「シロビキ(武闘派)」と呼ばれる強硬派人脈が動かしている。旧ソ連のウクライナやベラルーシに天然ガスの供給停止措置に踏み切るなど、そのエネルギーを武器に影響力拡大と国益追求を掲げる。ロシアは強国の復活をもくろむ国家資本主義国となったのだ。

 産経新聞モスクワ支局長だった故鈴木肇氏は「地下資源が豊富なロシアを決して侮ってはいけない」と後輩の記者たちをさとしたことがある。

 世界が、枯渇する天然資源をめぐり争奪戦に突入する中、資源のない日本はせめて、その最大の“弱点”である情報・外交力を改善しなければ、変革の時代を生き残ることはできない。
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by sakura4987 | 2007-09-08 16:54

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