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◆【緯度経度】北京・伊藤正 米朝接近で日本にも「影」



 (産経 07/9/1)


 1971年7月16日朝、ニクソン米大統領が「中国訪問」合意を発表したときの衝撃は忘れられない。当時、共同通信外信部の新米記者だった私にとって、この歴史的ニュースの意味を理解するのは難しかった。



 ベトナム戦争は継続中であり、表面的には米中は敵対していた。後から考えれば、いくつかの「兆候」はあったにしても、イデオロギー対立厳しい冷戦時代、米大統領が訪中し、毛沢東と握手する合意が達成されるとは、想像を絶する出来事だった。



 外信部内の10近い研究部会が連日、合同討論した。そこで「米帝国主義と闘うためにニクソンを招いた」と主張する中国班が孤立した。大勢は「ソ連が米中共通の脅威になった結果」と分析したが、中国班は毛沢東の米帝国主義打倒の声明などを引いて「主敵は依然米国だ」と譲らない。



 論争に決着をつけたのは中堅記者だった。「ソ連は中国を主敵にしているのに、中国がソ連を主敵としない理由はない。敵の敵は友という国際政治の現実主義が米中を結びつけたのだ」



 72年2月、ニクソン氏が訪中したとき、歴史は変わった。イデオロギーや体制の違いよりも、国家の安全や諸々の利害が国際関係発展の誘因になっていったのだ。ニクソン訪中以降の35年間、中国が大きく変わる中で、米中関係が幾つかの危機を乗り越え、連携を深めてきた理由だ。



 その米中両国にとって、当面最大の挑戦は北朝鮮の核問題だ。2003年8月に始まった6カ国協議は、昨年10月の北朝鮮の核実験強行後しばらくして、米朝の直接対話が本格化、北の核放棄への期待が膨らみ、朝鮮半島をめぐる動きが急になった。



 今年7月には、国際原子力機関(IAEA)要員による北の核施設視察が行われ、6カ国協議で設置された5つの作業部会も8月から再開。「次の段階の措置」として北朝鮮への重油95万トン相当の援助も決まった。また南北朝鮮は、7年ぶりの首脳会談開催で合意、北の洪水で延期されたものの10月初めには平壌で行われる予定だ。



 こうした動きは北朝鮮の金正日総書記に、核実験の成果と確信させているに違いない。中国の専門家筋は「北が核を保持し続ける意欲を強めさせる懸念がある」とし、米国の急激な対北接近策を批判した。



 中国の戦略関係筋は「金正日総書記がブッシュ大統領に親密なパートナーになると表明した」後、米朝接近が本格化したと述べたと報道(8月10日付朝刊)したが、中央公論8月号で、米安全保障問題専門家のレオン・シーガル氏は、ブッシュ氏が先に金氏に親書を送ったと明かしている。



 それによると、ブッシュ氏のメッセージは、ニクソン訪中を導いた秘密外交の立役者、キッシンジャー元大統領補佐官がひそかに訪中、胡錦濤国家主席経由で送られたという。昨年10月10日で、北の核実験の翌日だった。



 共同通信の先輩である松尾文夫氏がインタビューしたこの記事は、「拉致敗戦」とのタイトル同様、極めて刺激的内容だ。その中でブッシュ大統領は、北が核を放棄したら平和条約を結ぶと提案したという。



 米国が北朝鮮との交渉を拒否する立場を変えたのは、「現実主義」とシーガル氏は言う。「北朝鮮と戦争はできない。制裁もできない。核を廃棄させるには交渉するほかない」



 同氏によると、ライス国務長官は、4月に訪米した安倍晋三首相に北朝鮮をテロ支援国指定から外すことを伝え、北との交渉を開始するよう事実上の警告をしたという。拉致問題に関する米議会の決議についても、ライス長官はそれに拘束されないと答えたという。



 北朝鮮核問題の平和的解決を主張し、米朝対話を促してきたのは中国だった。シーガル氏もブッシュ大統領が対話に転じたのも、キッシンジャー氏の助言をいれ、対中協調を重視したためと述べている。



 しかし中国は穏やかではいられない。中国指導部はすでに、米朝正常化は時間の問題と分析、米国主導で南北統一への動きが加速する可能性も視野に入れ、東アジアにおける戦略的変化への対応として、対日関係の強化を図りつつある。



 米朝接近に中国同様、困惑しているのは日本政府にほかならない。米国が拉致問題を対北交渉の優先課題から外しているだけではない。北朝鮮の要求に沿い、対北強硬路線の修正を迫ってくる可能性さえある。



 北朝鮮問題は日米同盟のあり方を見直す機会になるかもしれない。
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by sakura4987 | 2007-09-08 17:09

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