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◆北方領土 「北」労働者も投入し開発促進



                   露、実効支配強める

 (産経 07/9/9)


 ロシアが大規模なインフラ整備に乗り出している日本の北方領土で、労賃の安い北朝鮮人労働者が雇用されていることが確認された。北方領土にはこのところ外国人労働者の流入が活発化しており、プーチン政権が労働力不足の穴を外国人労働者によって埋め、北方領土の実効支配を強める姿勢が鮮明になりつつある。



 北方領土の消息筋によると、国後島と択捉島の建設現場や水産加工場などで外国人労働者が雇用されており、国後島の建設現場では北朝鮮出身の労働者十数人が確認された。ほかにキルギスやタジキスタンといった中央アジア諸国など旧ソ連圏や中国からの労働者が目立つという。



 人口減少に悩むロシアでは毎年、連邦政府が各地方の要望する外国人労働者の数や雇用分野をとりまとめ、「外国人受け入れ枠」として各地方に割り振っている。北方領土に流入しているのも、この制度に基づいて受け入れられた“合法労働者”だ。外国人労働者はロシアの極東全域で増加しており、北方領土では「外国人労働者の働きぶりは良い。労働力が不足しているため、地元行政府も外国人の雇用を歓迎している」(消息筋)と受け止められている。



 特に、北方領土を事実上管轄するサハリン州は北朝鮮との間で労働者受け入れに関する個別協定を締結しており、2005年には約1200人の北朝鮮労働者を受け入れた。日露関係筋によると、同州と北朝鮮の対外経済当局は一昨年10月と昨年12月に協力協定を締結。昨年12月の協定文書には「相互利益のある商業・経済協力をすべての方向性において継続する」とうたわれ、森林伐採や農業、建設、水産の各分野で関係を拡大し、労働者の受け入れを増やすことで合意している。



 専門家の推計によると、北朝鮮はロシアや東欧、中東・アフリカ諸国に1万~1万5000人の労働者を“輸出”している。北朝鮮当局は労働者の賃金を“ピンハネ”していると指摘されており、組織的な外貨獲得手段となっている疑いが濃厚だ。



 ロシアはソ連時代、北方領土を含む極東など辺境地域や戦略的要地の住民に給与や年金を割り増しする「植民政策」で広大な版図を維持。しかし91年のソ連崩壊後は、財政難からこうした辺境の開発に手が回らず、北方領土を含む極東部は激しい人口流出と産業衰退に見舞われた。



 これに対し、石油価格高騰に潤うプーチン政権は昨年8月、北方領土を含む千島列島(クリール諸島)の開発を目的とした2015年までの「クリール諸島社会経済発展計画」を採択。この地域に220億ルーブル(約975億円)にのぼる巨額の資金を投入し、再び北方領土の掌握を強める意欲を見せている。



 同様の長期開発計画はエリツィン前政権期の1994年にも策定されていたものの、財政支出は計画規模の平均18%にとどまっていた。それが昨年は1年間で17億7200万ルーブルとそれまでの10年間に匹敵する巨額が投じられており、雲行きは変わりつつある。



 サハリン州の消息筋は「新発展計画への財政支出は完全に達成されるだろう。ソ連崩壊後に減少した人口は回復しておらず、今後も外国人労働者の受け入れが進むのは間違いない」と指摘している。


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◆露、北方領土に外国人労働者

         占拠固定化の危機 違法性訴える外交不可欠

 (産経 07/9/9)


 北方領土で北朝鮮など外国人労働者が建設工事に従事し開発が進展し始めた実態は、北方領土問題の早期解決を目指す日本にとって看過できない状況といえる。ロシアは石油マネーを追い風に開発を推し進め、その実効支配を強める戦術だ。日本が沈黙し続ければ、ロシアは北方領土の不法占拠を日本が是認したと受け取ることになろう。



 日本はソ連崩壊を前後し、北方領土への人道支援など支援外交を中心にしたロシアとの領土交渉を行ってきた。しかし、石油価格高騰で経済力を回復させたロシアは、北方領土開発を自ら行う意向だ。今回の外国人労働者の問題は、それが現実のものとなってきたことを意味する。



 ロシアが今後、開発の勢いを強めてくることは確実だ。「今ですら領土交渉は行われていないのに等しいのに、北方領土で石油など発見されようものなら、領土問題の解決はさらに難しくなるだろう」(外交筋)。



 ソ連(ロシア)は、終戦当時有効であった中立条約を破って対日参戦し、日本領を占拠して居座り続けている。日本側は、その不法行為と、日本国住民の資産を没収し追い出したソ連側の不正義を「法と正義」に基づいて解決すべきであると主張してきた。



 だが、ナショナリズムが席巻するロシアでは、それらはまったく別な意味になる。「法」とは、ソ連(ロシア)が第二次大戦の戦勝国であるという事実であり、「正義」とは、その戦勝国が尊敬され、それに見合う地位を得ることなのだ。



 そうしたロシア側の主張は今後さらに、強まるだろう。一方、日本側の沈黙は、世界にロシアの不法占拠の現状を日本が追認したと思われることにもなる。ロシア側の狙いも、実効支配する現状の固定化にある。



 日本側は、ロシア側の違法性を国際舞台で繰り返し説明し、第二次大戦の戦後処理を急がせることを促すしか手立てはない。日本はそのために、PRを含むあらゆる外交手段を用いるべきだ。



 日本は幸い、国際機関や国際会議などのチャンネルを持つ。来年夏には北海道・洞爺湖で日本が議長を務める主要国首脳会談(G8サミット)が開かれる。日本など諸外国の力を借りて極東・シベリアの開発・発展をもくろむロシアは、5年後の2012年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の初のウラジオストク開催を目指している。



 日本は、ロシアに多元的な外交攻勢を強めるべきだろう。それができなければ、ロシアの北方領土支配は揺るがないものとなる危険性がある。


                   ◇


 ■北方領土をめぐる最近の動き

2004年11月 プーチン露大統領、閣議で日ソ共同宣言(1956年)に基づき歯舞・色丹の2島を返還する用意に言及

 05年9月 同大統領、テレビ会見で「4島の主権は国際法に基づくもので、第二次大戦の結果だ」と発言

 06年8月 露政府が「クリール諸島社会経済発展計画」を採択。露国境警備艇が北方領土・貝殻島付近で根室のカニかご漁船を銃撃・拿捕(だほ)。乗組員1人が銃撃で死亡

   12月 麻生太郎外相(当時)、衆院外務委員会で北方四島全体の面積を2等分する解決案に言及

 07年6月 ラブロフ露外相が日露首脳会談直前に北方領土の3島を初訪問
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by sakura4987 | 2007-09-12 12:28

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