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◆モスクワ支局長・内藤泰朗 日露が患う弱気病と強気病



 (産経 07/9/16)


 ≪■豪華大使館の後遺症≫


 モスクワの日本大使館新庁舎が開館して半年がたった。ふつうなら、建物内の外交官たちも新鮮な気分で働いているはずだが、開館以来、どうも彼らに元気がないように思えてしかたない。そんな率直な感想を旧知の大使館員に漏らしたら、皮肉を込めたコメントがはね返ってきた。



 「元気を奪ったのは、どなただったかな?」



 この新庁舎、2002年2月の着工前から、「豪華すぎる」と非難の集中砲火を浴びた。産経新聞が口火を切り、その後、多くのメディアが「一流ホテル並みの豪華さ」などと続いた。



 その結果、当初の設計にあった地下プールの建設は中止。その跡は、むきだしのコンクリートの巨大な穴がぽっかりとあいたままだ。400人が収容可能な多目的ホールも、音響設備の予算がなかったため、大使公邸の大型カラオケセットのマイクとスピーカーを代用しているありさま。まるで場末のホテルの宴会場といった趣である。



 そんな大使館に誰がした。外交官たちの元気を奪ったのは、まさにあなたたちメディアではないか。大使館員氏はそう言いたかったのだろう。



 しかし、産経新聞は、ロシアにおける「日本の顔」である大使館を醜く整形してほしいと求めたわけではない。



 日本国の体面を保つ設備は必要だが、大使館員専用のプールがなぜ必要なのか。司会者の声が聞こえないほどだだ広いホールに、ロシアや世界の要人を招き、何を伝えるというのか。国民の血税を無駄遣いせず、実のある外交に取り組んでほしいと主張しただけなのだ。



 ≪■真実よりも愛国心≫


 批判が生かされず、今後の力強い外交につながらないのなら、それこそ日本にとって悲劇である。それに、日露関係の行方は、けちがついた大使館新庁舎を外交官たちが嘆き、意気消沈したままになっているほど悠長な状況にはない。



 ロシアは、高騰する石油マネーで急激に国力を回復させている。北方領土で北朝鮮など外国人労働者が建設工事に従事し開発が進む実態を先日(9日付)本紙で報じた。ロシアが莫大(ばくだい)な資金を投じ、北方領土の長期実効支配に向けて動いている現実である。



 ソ連時代を彷彿(ほうふつ)とさせる政治宣伝がロシアのテレビに戻ってきた。たとえば、9月3日に極東のカムチャツカ半島で行われた対日戦勝を祝う行事を報じたニュース。ソ連軍がクリール(千島)諸島を日本軍から解放して第二次大戦に勝利の終止符を打った、と伝えていた。



 ソ連軍は、日本が降伏後に北方領土を占領し日本住民を追い出して居座り続けているのだが、ニュースはその不法占拠を「解放」という言葉に置き換えている。真実をねじ曲げる報道が再び大手を振り始めた。



 プーチン大統領は「国を愛せるような歴史を子供たちに教えなければならない」と訓示。第二次大戦での戦勝の誇りを愛国心の中心に据えた。それを受け、「真実より愛国心」という空気が政権内で強くなっていることが歪曲(わいきょく)報道の最大の原因だろう。



 「日本に対するコメントも、最近冷たくなってきた」と、ロシアの日本専門家も語る。



 日本がロシアとの領土問題を解決し、良好な善隣友好関係を構築するには、好むと好まざるとにかかわらず、このロシアの「強気病」と対峙(たいじ)しなければならない。



 ≪■元気を取り戻すカギ≫


 弱気病にかかった日本外交が、強気病のロシアに対して沈黙を続ければ、日本は北方領土を永遠に失うだけでなく、国際的な信義や正義をも闇に葬ることになりかねない。



 日露両国がそれぞれ抱える正反対の「病」は、本来なら共に治す努力をするのがいい。だが、強気病の方は高騰する石油マネーが続く限り当面続く。日本はどうしたら弱気病から脱却できるか。



 新約聖書には、救世主イエス・キリストが、パレスチナのガリラヤの地で弟子たちと集まった群衆に宣教している場面がある。



 「求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます」(マタイ7章7節)



 あきらめず、恐れず、良心と義を心に前進することの大切さ。世界は刻一刻と変化するが、正義を求め続ける真理は普遍だ。日本外交が元気を取り戻すカギもそんなところにある。



 少なくとも、大使館庁舎のでき映えは関係ない。
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by sakura4987 | 2007-09-22 15:23

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