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◆「雄弁は美徳」「冗舌は金」 (産経 07/9/29)




 やはり、どうしても比較せざるを得ない状況だ。今回の自民党総裁選の討論会と、昨年から今春にかけて熱く激しく展開されたフランス大統領選の候補者たちによる討論会や演説を。



 というのも、総裁選に先立ち21日に行われた日本記者クラブ主催の福田康夫、麻生太郎両氏の公開討論会を新聞で読んで、これではどちらが勝利しても、主要国首脳会議をはじめとする首脳外交舞台での勝利はおぼつかなく思えたからだ。



 失礼ながらめでたく当選した福田氏の場合、時にあまりに抽象的過ぎた。「今の若い人たちは閉塞(へいそく)感を持ちがちだ。若い人が希望を持て、働く人、お年寄りが安心して生活できる国づくり、社会づくりをしたい」と述べ、「希望と安心」をキャッチフレーズにしたいとのことだったが、「エ・アロー?(それで?)」と、フランス人でなくても突っ込みを入れたくなる。



 麻生氏の場合、「小さくても温かい政府」「小さくても強い政府」を主張し、「経済は少なくとも名目成長率2%以上にする」などと多少、具体的だった。首相の資質に関しては、「孤独に耐える力」(麻生氏)「辞めるときの決断」(福田氏)ということだが、これが国連常任理事国入りを狙う国の首相の資質かと思うと、ちょっと情けない。



 議院内閣制下の日本の首相と、直接選挙で選ばれて政府指導者として強大な権力を与えられ、国家元首をも兼ねるフランス第五共和制の大統領とは違うとはいえ、一国を代表している点において変わりはない。



 国際会議は各国の国益をかけた厳しい戦いの場にほかならない。それは、主要国首脳会議が役人など“付き人”抜きの首脳だけによるワーキング・ディナーから始まり、国際情勢などが丁々発止と論じられることからも十分にうかがえる。



 「沈黙は金」とばかりに黙っていたら、日本はいつの間にか、多大な経済支援の負担といった損な役割を押し付けられて、国益を損なう結果になりかねない。



 何が何でもフランスが良いというのでは決してないが、ロワイヤル氏を同国初の女性大統領候補に選出した昨年11月の仏野党、社会党の“予備選”に先立つテレビ討論や、大統領選直前に行われた同氏と右派政党、国民運動連合の候補のサルコジ氏によるテレビ討論とは何という相違か。



 社会党の候補者選びに際してのテレビ討論はロワイヤル氏を含む3人により3回、実施された。テーマは1回目が「経済、社会」、2回目が「教育、家族、移民、司法」、3回目は「国際問題」だった。3人は3度とも長時間、立ったまま放送記者2人の質問を受けており、「大学入学資格試験の口頭試問」(仏記者)の受験者よろしく、猛烈な“受験勉強”をしたとか。



 サルコジ、ロワイヤル両氏は延々、4時間にわたるテレビ討論で、内政、外政の全般について、テレビ記者2人との間で質疑応答を行った。持ち時間はもちろん同等にした。どちらの政策が説得力を持つかが焦点になったからだ。「沈黙は金」どころか、しゃべりまくって国民を説得した方が勝ちになるからだ。



 選挙戦中の両氏の演説や会見での発言も、常に1時間半をゆうに超え、選挙公約の資料も分厚かった。



 サルコジ大統領は今回の国連総会で、総会のテーマとなった環境問題はもとより、「殉教者の子供のまなざしや、飢え、そして両親が侮辱されているのを見る子供のまなざし」といった情緒的な部分も盛った感動的な初演説をし、長時間の拍手を獲得したという。



 どんな「無法国家」相手でも、武力行使は最後の手段となり、政治解決が優先される21世紀の世界で、日本がいつまでも、「沈黙は金」とか「寡黙は美徳」といった考え方にしがみついていると、とんでもないしっぺ返しを受けそうだ。



 発言することをうっとうしがらず、言葉の力をもっと信用したいものである。
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by sakura4987 | 2007-09-29 11:04

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