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◆【正論】現代史家・秦郁彦 「30万」堅持の政治的狙いは



 (産経 07/12/27)


 ■「南京紀念館」中国のしたたか戦略


 ≪再開館の日どりに迷い?≫

 新装なって2年ぶりにオープンした中国・南京の「侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館」(中国の呼称、以後は紀念館と略称)を、開館日に見学した知人からおみやげのガイドブックをもらったので、要点の紹介を兼ねて南京事件論争と日中関係の行く末を観望してみよう。

 紀念館が創設されたのは1985年で何回かの改修はあったが、2005年12月から休館したうえ世界遺産登録を目指す今回の改修工事はきわめて大規模なものだった。当初は事件70周年の2007年を控えた06年12月にオープン予定と伝えられていたが、今年に入ってもその気配がなく08年夏の北京オリンピック後に延ばすのではないかという憶測も流れていた。

 07年中の封切を予告した内外の南京映画が次々に延期され、お披露目用のイベントとして企画された国際シンポジウムが、11月下旬に南京大学で開催されたさいも、参加者は「紀念館再開の日どりは未定」と聞かされた。

 そこへ12月3日付の本紙上海特派員電が、南京陥落から70年目に当たる12月13日の開館が決まったという『南京日報』の記事を速報した。

 私が注目したのは江蘇省共産党の幹部が11月30日に工事現場を訪れ、期日通りの完工を命じたというくだりである。満2年をかけ、50億円の巨費を投じた大プロジェクトなのに、その日まで政府や党の上層部にはオープンの日どりについて迷いがあったとも読みとれたからだ。


 ≪「日中友好」のコーナーも≫

 また産経などのインタビューに対し、朱成山館長が未来志向を強調しながら展示の内容が過激にならないようにしたいと述べていたことから、悪名高い「犠牲者30万人」の看板を引っこめるのではないかと予測する向きもあった。だがこうした期待は裏切られる。

 新設された巨大な「災難の壁」に12カ国語で同じ数字が掲げられただけでなく、12秒ごとに「平和の鐘」が鳴り、水滴がしたたり落ちるという手のこんだ装置まで登場したからである。6週間で30万人を割っていくと、12秒に1人の割合で虐殺された計算になるのだという。

 他にも先進国の博物館では考えられない悪趣味の展示が少なくない。「死体の山」と「血の池」の模造、「数十万人」の「性奴隷」が働かされた慰安所のモデルハウスには、元慰安婦(本人の写真付き)が寄贈した身分証、消毒液、コンドームの実物が飾ってあるといったぐあい。

 考えてみれば、敷地が3倍、展示面積が12倍、写真を6倍(3500枚)にふやしたから、怪しげな展示品でも撤去する余裕はないのだろう。国民党宣伝部が作った処刑やレイプの「やらせ写真」、百人斬り将校たちの等身大パネル、むき出しで並ぶ頭蓋骨(ずがいこつ)の山も健在らしい。

 注目してよいのは「日中友好コーナー」が新設されたことだろう。日中復交時の田中首相と毛沢東の会見、村山首相の参観シーン、安倍首相・胡錦濤主席の対談写真のほか「中国の経済建設に一定の役割を果たした」とされるODA援助の概況が掲示された。


 ≪わが国の虐殺派と再提携か≫

 紀念館の活動に貢献した「恩人」も登場する。別格は胸像のほかに「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」の原稿、ワープロのマウスが陳列されているアイリス・チャンだが、日本人も4人入っていて、「本多勝一先生」が寄贈した取材ノートやテープ、カメラも見られるらしい。

 さてこうした紀念館の姿勢から見えてくるものは何か。13日の開館式典には日本からの400人を含め6000人以上が参列、初日だけで8万人の見学者が押しかけたというが、北京から共産党の副部長クラスしか出席していない点に今後の対日戦略を占うヒントがありそうだ。

 胡錦濤は紀念館を訪れたとき、「愛国主義教育を行う理想的な場所」と宣言した手前もあり、地方機関の紀念館は、反日宣伝の発信基地として温存する一方、中国系アメリカ人など海外ネットワークを利用して歴史カードを切る手法も、併用するつもりかと見受ける。

 そのかわり、オリンピックを控えた中央の政府・党部は、経済や環境問題で対日柔軟路線を展開するだろう。また歴史実証主義の重視を唱える一部の若手研究者たちが、「30万は政治的数字」とか「死者埋葬の統計には水増しがある」と言いだしたのを許容しているのも、いずれ30万を20万前後に切り下げ、わが国の虐殺派との再提携を狙う伏線かもしれない。いずれにせよ、硬軟自在のしたたかな対日外交の行く末を、油断なく注視する必要がありそうだ。
by sakura4987 | 2007-12-29 14:46

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