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◆エコツーリズムは“エゴ”ツーリズム? (JANJAN 2005/3/12)





 http://www.news.janjan.jp/area/0503/0503104506/1.php


-理想と現実の乖離を検証する-

 近年、西表島ではJanJanでも取り上げられている大型リゾート問題も含め、自然環境破壊が深刻化している。その一つがエコツーリズムによる破壊である。本稿ではエコツーリズム問題が、大型リゾート問題と同様、あるいはそれ以上の自然環境破壊につながりつつある現状を紹介する。

 エコツーリズムとは自然・文化・歴史などの地域特性の観光資源化で、その持続的利用・環境教育・地域振興効果があると言われている。日本でも近年急速に普及しつつあるが、特に自然環境を対象とする分野では、その掲げる理想と異なり、自然の消耗的な利用が目立つ。2004年1月に、西表島のヒナイ川流域において、自然環境に対する人為的影響を調べた。

 ヒナイ川流域を対象としては竹富町・西表島カヌー組合・船浦湾河川遊覧船組合間の利用協定が存在するが、事前の環境影響評価がなく、規定入域者数には科学的根拠がない上、年間入域者数などの総量規制もないため持続的利用を実現する効果はほとんど期待できない。

 今回、主要なカヌー置き場で167艘ものカヌーが確認されたが(写真1)、他の場所を含め、少なくとも200艘以上が常時利用可能になっていると考えられる。また記念撮影名所のサキシマスオウノキ周辺では、踏み荒らしが目立った(写真2)ほか、散策路沿いのサキシマスオウノキでは特徴的な板根が踏み壊されていた(写真3)。このような状況は近年の“自然体験ブーム”以前は見られなかったとのことである(現地ガイド談)。

 このように、自然体験ツアー全体として自然環境保全に対する無配慮が目立つ。その原因は、ツアー実施地域に対する合理的利用計画の欠如にあるのは明らかである。自然体験型エコツーリズムは、一部の発展途上国では成功したが、社会・経済的状況が大きく異なる日本などの先進国では、エコツーリズムの適用計画全体を大きく変更する必要があると思われる。

 現在の日本における自然体験型エコツーリズムは、これまで利用されていなかった良質な自然を対象としている例が多いが、この種の場所では、エコツーリズム導入後の自然に対するインパクトの方が導入以前より大きくなることは明らかで、自然利用と自然破壊のトレードオフを、自然環境保全を促進する方向にバランスさせることは不可能である。

 ブームに流されることなく、一度立ち止まり。エコツーリズムが本当に地域のため、自然のために役立っているのか、もう一度考えなければならない時期に来ているのではないだろうか?
by sakura4987 | 2008-03-12 15:58

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