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◆もはや日本は経済一流と呼べない



            大田経済財政担当相に発言の真意を問う

 (毎日 2008/3/6)

 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080306dde012020016000c.html


 「もはや日本は経済一流と呼べない」。1月の通常国会冒頭の経済演説で、こう言ってのけたのが大田弘子・経済財政担当相(54)である。異例の発言の真意は何なのか。再び日本が一流と呼ばれるための策はあるのだろうか。大臣室を訪ねた。

 ◇危機感共有するための「カンフル剤」--前向きの気概持って

 ◇6月に「平成の前川リポート」 できること何でもやる

 まずは発言の意図をうかがった。大田さんは慎重に言葉を選びながらも「危機感を共有したい、ということだったんです。人口が減る中で日本が成長するのは並大抵のことではない。今は全体に縮み思考になっている。賃金が増えないから消費が伸びない。企業もリスクをとる設備投資をしない。バブル崩壊の痛手を乗り越えるのに時間がかかりすぎ、前向きの気概が弱まっている感じがあります」と、語った。発言が失言、あるいは誤解を与えたというような意識はなさそうだ。

 構造改革を重視する「改革派」の一民間人だった大田さんが入閣したのは、安倍晋三内閣のときだ。しかし、再任された福田康夫内閣では比較的地味で目立たない存在に。それが今回の発言でがぜん脚光を浴びることになった。

 演説では、06年の日本の1人当たりの国内総生産(GDP)が世界で18位に下がったという点を指摘した。93年には2位。「でも、大事なのは内向きになることではなく、世界に向かっていく気概を取り戻すことだと思うんです。今なら間に合います」と、発言の真意が日本経済へのカンフル剤だったことを説く。

 では、「一流」に返り咲く潜在力はあるのだろうか。「たとえば、フリーターの数は187万人です。IT技術を訓練すれば使いこなせるであろう若者が取り残されている。一方で、高齢者を中心に金融資産は1500兆円もある。成長のために、いずれも生かされていない。日本経済の強みと弱みを見極める。そして成長戦略の処方せんをしっかり描きたい」。メモを見るでもなく、はっきりと断言した。

 しかし、発言には向かい風もある。きのうの当欄でも与謝野馨前官房長官が「国民が将来に対し漠然とした不安を持ってしまう」と懸念を示した。大田さんの積極的な思いは伝わっているのだろうか。

      ■

 政府の経済財政諮問会議(諮問会議)は6月、構造改革の方針として「平成の前川リポート」をまとめる。「元祖」前川リポートは、中曽根内閣の下で86年4月、前川春雄元日銀総裁が座長となり、輸出頼みから内需拡大へと転換するよう求めたものだ。しかし、その後の内需拡大は公共事業の増加に結びつき、バブル景気を招く一因となった。

 「内需を重視するのはあの時と共通しています。ただ、私が言う内需拡大には、成果配分を賃金と労働時間短縮に向けなくては、という考えが念頭にあります。とはいえ、そこには政府がなかなか入れるものじゃない。もっと構造的に、労働分配率のあり方を考えられないかということです」

 つまり、経営者に向けて「労働者への賃金を上げてほしい」というメッセージを送っているということか。確かに、庶民が02年初めから続くと言われる景気回復への実感が薄いのは、伸びる企業収益とは裏腹に賃金は下がっているからだ。庶民のふところが温かくなるのなら歓迎したい。

 でも、それは政策とは違う。大田さんは「健康サービスや家事サービスなど、家計のニーズに企業が応える形で消費の厚みが出てくれば質の高い雇用につながる。その循環ができれば、公共事業ではなく『消費起点の経済』になる。できることを何でもやる。残る問題は構造的ですから特効薬はないんです」と語った。

      ■

 大田さんはこれまでも、立場を変えながら政策決定にかかわってきた人だ。

 細川内閣では、平岩外四・元経団連会長が座長となった経済改革研究会の委員を39歳で務めた。平岩リポートは、規制緩和の推進など、やはり内需拡大の課題を示した。共著「経済改革のビジョン『平岩レポートを超えて』」で、内幕を明らかにしている。

 <『政界-官界-業界』という鉄の三角形を超えて、かつ多様な意見の集約が可能な、政策討議の場がつくれるのではないか。ただし、政治のリーダーシップがあれば、という条件が重要である>。細川さんの指導力が、お気に召さなかったようだ。

 一方、内閣府政策統括官や諮問会議事務局として支えた小泉内閣については「経済財政諮問会議の戦い」で記した。

 <小泉純一郎という首相主導を具現化するには最適の議長にめぐまれ、竹中平蔵という挑戦心ある担当相を得て……>と、そのリーダーシップを高く評価している。

 では、「小泉内閣が格差を広げた」との指摘についてはどうだろう。「小泉改革が悪かったからじゃなくて、人口が減り、グローバル化がこれだけ進んだ中で、日本の成長モデルがきちんとできていないからです。どの国も苦しんでいる。どうやって格差を拡大させない社会にするかで」

 2月17日。大田さんは首相公邸を訪ね、夕食をとりながら3時間半にわたって福田首相と打ち合わせた。「経済一流じゃない」発言が首相を振り向かせたのだろうか。

 「いえいえ。総理とは危機感を共有していますよ。年末から何度か時間をかけて成長戦略を組み立てているんです。(7月の)洞爺湖サミットで打ち出す日本経済のメッセージも大事になるし」

 しかし、首相が代わるたびに構造改革が減速してはいないか? 「それはないと思います。人口減少は、不良債権処理と違って、今そこにある危機ではない。でも、実際には大きい危機なんですけれどね……」と言う。

 最後に「閣僚の中で改革派と目されるのは大田さんと渡辺喜美行政改革担当相ぐらい。孤軍奮闘しているのかなと見えるんですが」と尋ねると、明るく笑い出した。

 「うん。それは、できることをやると。答えづらいこと、聞かないで」

 国会の演説で「発言力」を証明した大田さん。さて、次は、「実行力」ですぞ。



 ■人物略歴

 ◇おおた・ひろこ

 1954年、鹿児島県生まれ。一橋大卒。政策研究大学院大学教授を経て、02年から内閣府に勤務。官房審議官、政策統括官を歴任。05年8月に大学に戻るが、06年9月から現職。大の焼酎好き。
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by sakura4987 | 2008-03-18 12:23

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