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◆ノンフィクション作家・上坂冬子 ゴムひも国家の欠陥



 (産経 2008/3/22)


 日本はいつから伸びきったゴムひもみたいに感度の鈍い国になってしまったのであろう。

 危機管理のポイントは、緩急自在の感度と行動力だ。

 卑近な例でいうと中国の毒入りギョーザの対処に、この感度が欠けていた。最初に報じられたのは、1月31日である。たしかその時点で、ギョーザに付着していたのは日本で使用していない農薬であったとテレビニュースが伝えていたから、即座に中国にクレームをつけて当然であった。

 にもかかわらず終始“偽装慎重”ともいうべき緩慢な態度で両国間の交渉に茫洋(ぼうよう)とした態度で取り組み、揚げ句の果てに中国側から「調査の結果、中国には疑義のないことが明らかになった」かのごとく発表された。

 間髪を入れず、「両国で討議していた最中に、一方的にそのような結論を発表したことは承服できない」と核心を衝(つ)いた抗議をしたのは、私の知るかぎり日本では吉村博人警察庁長官のみであった。

 海上自衛隊のイージス艦と漁船との衝突事件にしても然(しか)り。

 報告を受けたのは2分前だったか12分前だったのかという手続き上のミスをめぐって、渦中で石破茂防衛大臣の長談義にあれほどの時間を割く必要があったのであろうか。状況を的確に判断し、あの事態に冷静な決着をつけたのは結局、漁業組合長と漁民だったのを国民としては見せつけられた。

 それにしても、日本はいつから手続き上の問題にこれほどこだわる癖がついたのであろうか。

 さきごろ製紙会社が再生紙に規定以下の古紙しか混ぜていなかったのが、まるで“偽装問題”であるかのように騒がれた。感度のいい業界は三十六計逃げるにしかずとばかり、すぐさまエコロジー時代に逆らわぬよう詫(わ)びて決着をつけたが、あれは詫びねばならぬほどの大事だったのであろうか。

 中部大学の武田邦彦教授は昨今はやりの地球環境論議に小気味良い異論を唱えている(『諸君!』4月号)。

 「人類が、いかなる活動をしようとも、地球環境が破壊されるということはけっしてない」と言い切っておられるのだ。たしかに地球には復元力があるから、簡単に破壊されてしまうはずはないと素人でも思う。

 さらに武田教授は、水没するといわれているツバルにしても水没を温暖化による海面上昇とみるのは無理があり、サンゴ礁によるあの島の脆弱(ぜいじゃく)な地盤に問題があるという。「水没は海面上昇したのではなく地盤沈下と考えたほうが理に適(かな)っている」とか。

 私はこの意見に全面的に賛同できるだけの知識を持っていないが、世をあげて「善」としているエコロジー万能主義の風潮に、単純になびくまいという教授の姿勢には喝采(かっさい)を送りたい。

 国をあげて手続き万能、事なかれ主義のゴムひも状況にも共通の欠陥ありと、無言のうちに指摘していることにならないか。

 衆参両院の賛同が必要だという手続きの下に、日銀総裁が決まらないのも気迫に欠ける話だ。

 事をおこさぬために手続きを踏む必要はあるし、事をおこさず人徳を積んだ人もいる。だからといって国家が人徳レベルで低迷し、緩急自在の判断と決断を放棄していいわけがない。
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by sakura4987 | 2008-03-27 15:02

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