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◆「おかあさん」

◆読売新聞4月3日付 編集手帳

 若山牧水は酒を愛した。〈われとわが悩める魂の黒髪を撫(な)づるとごとく酒を飲むなり〉。幕末の歌人橘曙覧(たちばなのあけみ)は、貧しくとも親子が寄り添う家庭を愛した。〈たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時〉

 子供たちと手まりをつく春の日を愛した良寛は、桜を愛した西行は、夫鉄幹を愛した与謝野晶子は…と挙げていけば、きりがない。詩心とは、その人にとってかけがえのない宝物の上に宿るらしい

 その詩は題名を「おかあさん」という。〈おかあさんは/どこでもふわふわ/ほっぺは ぷにょぷにょ/ふくらはぎは ぽよぽよ/ふとももは ぼよん/うでは もちもち…〉

 青森県八戸市の小学4年生、西山拓海(たくみ)君(9)が2年生のときに書いた。土井晩翠を記念した「晩翠わかば賞」の佳作に選ばれている。拓海君は一昨日、母親に電気コードで首を絞められ、殺された。動機はまだよく分からない

 ぷにょぷにょ。ぽよぽよ。ぼよん――どれも小さな詩人が、大好きな、この世で一番大切な宝物から紡いだ言葉だろう。詩句の間から聞こえてくる「おかあさん、なぜ」という声に、目を閉じる。



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◆「おかあさん」

 (青森県八戸市立美保野小学校 二年 西山拓海)

 おかあさんは

 どこでもふわふわ

 ほっぺは ぷにょぷにょ

 ふくらはぎは ぽよぽよ

 ふとももは ぼよん

 うでは もちもち

 おなかは 小人さんが

 トランポリンをしたら

 とおくへとんでいくくらい

 はずんでいる

 おかあさんは

 とってもやわらかい

 ぼくがさわったら

 あたたかい 気もちいい

 ベッドになってくれる


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◆青森・八戸の息子絞殺:母への思い届かず 動機なお不明

 (毎日 2008/4/3)

 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080403ddm041040110000c.html


 青森県八戸市立美保野小4年、西山拓海(たくみ)君(9)が自宅で絞殺された事件で、県警八戸署は2日、殺人容疑で逮捕した母親、西山未紀(みき)容疑者(30)の本格的な取り調べを始めた。西山容疑者は容疑を認めているが動機については具体的な供述をしておらず、3日、青森地検に送検して長男殺害の経緯を調べる。

 調べでは、西山容疑者は1日午前9時ごろ、自宅で拓海君の首を電気コードで絞めて殺した疑い。事件当時、同居する西山容疑者の両親は外出中で、家には拓海君と2人だけだった。拓海君はパジャマ姿で布団に横たわっており、寝ていたところを殺害されたらしい。首以外に目立った外傷はなく、司法解剖の結果、死因は窒息死だった。

 西山容疑者は、家に閉じこもりがちで通院歴があったという。関係者の話などから、同署は西山容疑者による日常的な虐待の疑いは低いとみており、心中を図ろうとした可能性もあるとみている。

 拓海君は昨年10月、仙台市の詩人・土井晩翠を記念して同市が小・中学生の詩を表彰した第48回「晩翠わかば賞」で佳作を受賞。2年生の時に書いた「おかあさん」の作品名で西山容疑者への思いを記していた。


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◆4月3日付・おかあさん (四国 2008/4/3)

 http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20080403000065


 切なさで胸いっぱいになりそうな子どもの詩に出合うことが時々ある。県内の五歳の少女が作った「ママ」という詩がそうだった。「ママが/いちばんすき」と始まるその詩は、母親への恋慕にあふれていた。

 家に帰ったら遊んでくれる。朝になると起こしてくれる。おにぎりを作ってくれる。ラーメンも作ってくれる。カレーやスープ、ニンジンだって食べた。そうして面倒をみてくれる母親が少女は本当に大好きだという。

 ここまでならよくある詩だが、少女はこうもつづっていた。「おうちは/たのしかった」「また、きてね」「○○(名前)は/なかんとがんばっています」。実を言うと、この詩は少女が児童養護施設で書いた。虐待、それも育児放棄が入所理由だった。

 青森の九歳の少年の詩も、タイトルはやはり「おかあさん」。「おかあさんは/どこでもふわふわ」に続いて、ぷにょぷにょしたほっぺや、もちもちした腕など、ベッドのように柔らかい母親に包まれる喜びを表現する。

 小学生を対象にした詩のコンクールで入賞を果たすほどの出来栄えだった。母親はさぞかし誇りに思っただろう。そんな母親を見て、少年もどんなにかうれしく思ったことだろう。その母親が一昨日、少年を絞殺した疑いで逮捕された。

 母子の間に何があったのかは分からない。何が母親たちをそうさせたのかも分からない。ただ幼い子どもたちはひたすらに親の愛情を信じている。そんな子どもたちが犠牲になるたび、胸が締め付けられる。
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by sakura4987 | 2008-04-09 13:28

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