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◆【社説】公務員改革案/労働権の安易な拡大に疑問



 (世界日報 2008/6/2)


 国家公務員制度改革基本法案の修正案が自民、公明、民主、社民の四党の賛成多数で衆院本会議で可決された。参院での審議を経て今国会で成立する見通しとなった。旧態依然とした人事管理を改め、縦割りなどの弊害を是正する。この方向に沿った改革は歓迎する。だが、気掛かりなことがある。それは公務員の労働権が安易に拡大されようとしていることだ。
民間と違う公務員の地位

 修正案は公務員の労働基本権について「団体協約締結権を付与する公務員の範囲拡大について、国民の理解のもとに、自律的労使関係制度を措置する」としている。協約締結権とは給与や勤務時間など労働条件を労使交渉で決める権利のことだ。実現の時期が明記されておらず玉虫色の表現だが、政府案の「検討する」から一歩踏み込んだ内容になっている。

 公務員の労働権拡大は、二〇〇五年に小泉政権が「国家公務員5%純減」案を出した際、与党内に定員・給与削減を実現するには「身分保障」をなくす代わりに民間並みに労働基本権を付与すればよいといった議論が持ち上がった。一方、民主党の支持基盤の官公労は、旧総評時代以来、労働権の獲得を悲願としている。その思惑が一致して今回の修正案となったようだ。

 確かに、憲法二八条が保障する勤労者の労働基本権は本来、官民の区別がない。だが、憲法は公務員を「国民全体の奉仕者」(一五条)と位置付けている。公務員の職務は公共性を持ち、民間の代替が利かない。だから職務を放棄されたり、国民を人質にとって自己利益を図ろうとしたりする事態があってはならない。それで自衛官や警察官に基本権を付与せず、一般公務員には団結権の労働組合結成を認めても、協約締結権と争議権は認めてこなかった。

 その代償として人事院が民間の給与水準を基に、毎年、「適正な給与」を勧告している。これを最高裁は全農林事件(一九七三年)で合憲判決を下し、ILO(国際労働機関)は旧総評が「スト権スト」で提訴した際、人事院勧告制度を認めた。

 そもそも公務員の地位も職務も民間の会社員とは違う。民間の場合、交渉相手は使用者の経営者で交渉事項に制限はなく、利益の範囲内という歯止めも掛かる。だが、公務員の使用者は国民だ。給与は税金で賄われ、公務の「利益」は明確でない。それで、国民の代表である国会が決定している。

 また、与党が想起すべきは現行の公務員法でも能力が欠如する公務員の免職などができる「分限免職」を規定しており、新たに協約締結権を付与しなくても制度改革が可能なことだ。

 分限免職が今日までほとんど行われてこなかったのは、六九年の総定員法の制定時に、国会が「本人の意に反する配置転換は行わない」との付帯決議を採択したからだ。これが足枷(かせ)になって、分限免職を回避しようとする悪しき慣行が生まれてきた。地方自治体には分限免職規定を人事制度に導入するところも少なくない。

「組合天国」づくりを危惧

 危惧(きぐ)されるのは、労働権拡大が「組合天国」をもたらすことにならないかだ。その弊害は社会保険庁の「年金記録漏れ」や「ヤミ専従」で実証済みである。こうした労組の横暴を容認したまま協約締結権を付与すれば、欧米の一部の国で見られるスト騒動のような混乱を招き入れるだけだろう。それでも日本特有の人事院勧告制度を用済みにしようというのか。公務員改革に名を借りた「組合天国」づくりはお断りだ。
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by sakura4987 | 2008-06-03 15:43

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