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◆【日本の未来を考える】東京大・大学院教授 伊藤元重



 (産経 2008/6/7)


 ■羽田国際線の利用拡大を


 日本の港でコンテナ扱い量が多い港は、東京・横浜・名古屋・神戸の4大港である。しかし、この4つの港のコンテナ扱い量をすべて足しても、韓国の釜山港の扱い量にも及ばない。しかも、釜山港よりも扱い量の多い港が、アジアにはシンガポール、香港、上海と3つもあるのだ。要するに、日本の港はアジアのネットワークの中では完全にマイナーな存在になってしまったのだ。この間に日本の港のコンテナ扱い量が減ったわけではない。微増程度では増えていた。ただ、その間にアジアのほかの港のコンテナ扱い量が急速に拡大したのだ。規制緩和や改革が遅れたことが、この大きな原因であると指摘する専門家は多い。

 そうなると、気になるのが空港の存在である。アジアの航空需要は急激に拡大しており、近隣主要国は空港整備や航空路線の拡張を加速化している。そうした中で、日本の空港が遅々たるスピードでしか変化できないのでは、5年から10年後に日本の空港もアジアのローカル空港に成り下がってしまうのではないかと心配になってくる。

 日本の空の中心となるべき首都圏の空港の現状を見ても、さまざまな問題が見えてくる。成田空港の22時の状況を想像してほしい。最後の便がこの時間に出るので、空港内には1人も乗客はいないはずだ。少し前にこの時間帯にシンガポールのチャンギ空港を通過する機会があったが、空港は人で溢(あふ)れかえっていた。この違いの理由は明らかだ。成田空港で22時以降に発着便はないが、チャンギ空港では22時以降の発着便は、合わせて100便以上ある。ちなみに、成田空港を朝一番に出る国際線は9時近い時間だ。こういうのを重役出勤というのだろうか。チャンギ空港は深夜から朝の9時ごろまでに100便以上の出発便がある。

 こうした事実を突きつけられると、空港も港湾と同じ道をたどっているのではないかと暗澹(あんたん)たる気持ちになってくる。しかし、こうした閉塞(へいそく)状況を打開する大きなチャンスが一つある。羽田空港の存在である。成田空港の致命的な欠陥は深夜から早朝にかけての発着ができないことである。羽田空港にはその制約はない。また、羽田空港は都心に非常に近い所に立地するという強みを持っているのだ。そうした空港を国内空港としてのみ使っているのは、まさに宝の持ち腐れなのである。2010年には新しい滑走路もできるので国際線を増やす大きなチャンスであるが、それ以前にも余裕のある夜8時ぐらいから朝8時ごろまでの時間帯を積極的に国際線に使うことができるはずだ。安倍内閣のアジアゲートウェイ戦略会議で羽田空港の国際線利用拡大の提言が出され、多少なりともそうした動きが出てきた。ただ、それまでほとんどそうした動きが見えなかったのは、政府関係当局の怠慢なのか、国家としての戦略性のなさなのか。

 改革のスピードはあまりにも遅い。港湾だって少しは改革をしてきた。それでも現在の体たらくだ。外の世界のスピードの速さを考えると、今のままでは空港も港湾の二の舞いになってしまう。アジア最強の都市型空港となりうる羽田空港にさらにもう1つ第5滑走路をつくるという構想も含めて、羽田空港の国際線としての利用拡大を進めなくてはならない。
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by sakura4987 | 2008-06-10 16:24

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