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◆議論封じ「遺棄化学兵器処理」突き進んだ歴代内閣の“奇妙”



 (産経 2008/6/8)

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080608/crm0806081535011-n1.htm


 防護服を着て遺棄化学兵器の処理作業の準備をする日本の専門家 =2002(平成14)年9月、中国・孫呉(AP) 発注者である内閣府の当事者能力の欠如と、政府の非公開主義により、聖域とされ“利権化”してしまった中国大陸での遺棄化学兵器処理事業。それが独占受注業者「PCI」グループの不正を誘発したが、そもそも事業はスタート前から不可解な経緯をたどっていた。関係者の証言などで明らかになった中国政府への100億超もの支出。その詳細を、日本政府も業者も明かさない。調べるほどに奇妙なのは、遺棄された兵器を処理する責任が真に日本にあるのか、その法議論を封じ込んだまま1兆円事業に突き進んだ歴代内閣の姿勢である。(編集委員 宮本雅史)


 

■「日本に処理責任」→土下座外交の“成果”?


 中国大陸に遺棄された化学兵器の処理が政治問題化した発端は、中国政府が平成2年に海部内閣時代の日本政府にその処理と解決を要請してきたことだった。

 その後、日中政府間で協議を重ねられ、平成5年1月に宮沢内閣が「化学兵器禁止条約」に調印。続いて7年9月に村山内閣が、9年4月に中国政府が、それぞれ条約を批准した。

 条約は「遺棄化学兵器」をこう定義づけた。

 「1925(大正14)年1月1日以降にいずれかの国が他の国の領域内に当該地の国の同意を得ることなく遺棄した化学兵器(老朽化した化学兵器を含む)」

 日本には「遺棄締約国」として、「他の締約国の領域内に遺棄したすべての化学兵器を廃棄する」「廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設その他の資源を供給する」との義務が課せられた。

 だが、この段階で、日本に処理義務が生じるとした条約への異論があった。

 「敗戦で中国大陸の旧日本軍は武装解除し、すべての兵器、財産は旧ソ連と中国に没収・接収された。つまり、遺棄兵器の所有権は旧ソ連と中国に移転したと法的には解釈すべきだ。とすれば、日本が遺棄したとされる化学兵器は、条約が言うところの当該国(中国)の同意を得たものとなり、処理義務が生じるのは旧ソ連となる可能性が高い」

 「村山内閣は、遺棄化学兵器の『所有権』がどこにあるのか、日本政府に真にその責任があるのかなど、基本的な問題を精査することなく条約を批准した。最初から『日本に責任あり』の立場が取られていた」


■まるで土下座外交の如く…

 村山富市首相(当時)は批准の際、「遺棄したほうの国にその処理の責任がある。誠実に実行するのは当然だ」と述べ、河野洋平外相(同)も「外国が残したものを含めて日本が責任をもって処理する」とまで断言した。

 本当に日本政府に処理義務が生じるのか、異論があったにもかかわらず、それを精査した形跡は見あたらない。関係者が振り返る通り、「初めから日本に責任ありの立場」であった。

 その後、小渕内閣は「日本政府は条約に従って廃棄の義務を誠実に履行する」とし、その上で次の覚書を交わした。

 「遺棄化学兵器の廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設及びその他の資源を提供する」

 「廃棄作業は、中国政府の法律を遵守する」

 「事故が発生した場合は、両国で協議を行い、日本側は必要な補償を与える」

 これではまるで、中国に対する“土下座外交”ではないだろうか-。

 「村山、河野発言を受けて外務省が主導で批准したので、当方では分かりかねます」

 処理事業を主管し、これまで680億円もの予算を執行してきた内閣府(遺棄化学兵器処理担当室)に条約批准の経緯を聞くと、人ごとのような回答が返って来るのみだった。
 

■物証「兵器引継書」も真剣に精査されず…

 中国大陸に遺棄された化学兵器の処理義務は本当に日本政府にあるのか-? その疑念を増幅させる事実が一昨年春、判明した。

 山形県の全国抑留者補償協議会(全抑協)のシベリア資料館に、中国で旧日本軍が武装解除する際、引き渡した武器、弾薬の詳細を記した「兵器引継書」約600冊が残されていることが明らかになったのである。

 「兵器引継書」は、旧ソ連軍に旧日本軍が武器を引き渡したことを証明する物的証拠である。引継書の中に「化学兵器」があれば、中国に遺棄された化学兵器の処理義務は日本ではなく、旧ソ連に発生することになる。680億円もの出費は必要なくなるのだ。


 「この資料は精査すべき内容だ。政府としてもしかるべき調査をする」

 安倍晋三官房長官(当時)は衆院内閣委員会で「兵器引継書」の存在について問われ、こう答弁した。

 外務省は引継書の3分の1を写真撮影し、民間の専門家に判読を委託している。しかし、その調査結果については公表されるわけではなく、事業自体の基本的な疑問点は放置されたままだ。

 内閣府(遺棄化学兵器処理担当室)は「引継書はあったと言われるが、通常兵器の記載はあるものの化学兵器の記載はないと聞いている。外務省の担当なので分からない」と要領を得ない。

 実際に引継書を検討しているという外務省に聞くと…。

 「目録の3分の1程度しか見ていないが、必ずしも化学兵器と読める表記はなく、引き渡しの事実を裏付けるものではなかった。ただ、残りは資料館との関係で許可を得られず、精査の手は及んでいない」

「武装解除の検証はしていない」

 内閣府も外務省も、およそ当事者意識は感じられない対応である。「兵器引継書」の内容如何によっては、680億円もの支出が不要となる可能性が浮上するのだ。日本政府にしてみれば“血眼”になって「化学兵器」の表記を探して不思議でない。ところが政府にその必死さはまったくうかがえない。この“無気力さ”は不可解としか映らないのだ…。

 その後も処理事業は、日本に化学兵器の処理を実行する義務があるのか厳密に精査されることのないまま、条約と覚書に沿って継続されている。巨額の血税が湯水の如く費やされている。

 プロジェクトは10年目を迎えた今も、化学兵器の処理方法やその委託企業は決まっていない。内閣府は昨年4月、完了時期を5年間延長した。しかし、関係者の間では「5年延長しても完了するかどうか微妙だ」と事業そのものへの不信感も根強い。

 出口の見えないメガプロジェクト。われわれの国費投下は際限なく続きそうだ。本当に必要な出費であるかの確認もなく、ノーチェックで業者に食い物にされるようないい加減さで…。

 議論を封印しての、日本政府の「事業ありき」の姿勢。いったい何を物語っているのだろうか。
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by sakura4987 | 2008-06-10 16:25

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