★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆【一筆多論】中静敬一郎 メルケル首相ありがとう



 (産経 2008/6/23)


 やはり残念なことだった。

 福田康夫首相が6月1日、ドイツでメルケル首相と会談した際、日本船を助けてくれたことへの謝意を伝えることができなかったことである。

 4月21日未明、日本郵船の15万トンタンカー「高山」はイエメン・アデン沖の公海上で、海賊船に40分間追い回され、5発の対戦車ロケット砲を発射された。至近弾により船尾に直径20ミリの穴があき、あわやというそのとき、急行したのはドイツ駆逐艦「エムデン」だった。

 エムデンが飛ばしたヘリコプターを見るや、海賊船は一目散に逃げた。日本人7人ら乗組員23人は窮地を脱した。ドイツのメディアは大々的に報じた。

 だが、約1時間の日独首脳会談は洞爺湖サミットを前にして、主要課題の気候変動、食糧問題などに費やされ、「海賊事件は話題にならなかった」(外務省欧州局)という。

 福田首相の真意はわからないが、日本のシーレーン(海上交通路)の安全への関心はそう高くないことがうかがえる。

 ここに問題の本質が見え隠れしている。世界各国は、海賊行為のような自国や自国民に対する急迫不正の侵害を除去するため、あらゆる措置を取ろうとする。一方、日本はこうした問題に目をそむけ続けている。福田首相の対応にそれが反映されているといえなくはない。

 当時、この周辺海域にはテロリストなどを監視する多国籍海軍への給油支援のため、海上自衛隊の補給艦と護衛艦が派遣されていた。高山を救うには距離が離れていたにせよ、本来は海自が駆けつけねばならない。

 しかし、新テロ特別措置法は海自に給油任務しか与えていない。そもそも海自には海賊行為を抑圧する任務がない。

 海賊取り締まりは、海上保安庁と同じ権限を与える海上警備行動が発令されれば、できるが、警察行動でしかなく、海賊撃退はできない。撃退は自衛権の発動である防衛出動が首相から命じられ、初めて可能だ。

 ただ、これも組織的かつ計画的な武力攻撃が条件になっており、海賊には適用されない。

 これらは自衛権発動の要件を「わが国に対する急迫不正の侵害がある」などと、極めて狭く解釈した結果だ。ほとんどの国は、自衛権とは国家が自国または自国民に対する急迫不正の侵害を除去するため、やむを得ず行う防衛の権利としている。

 日本がこれを適用しないのは、自衛権が明記されていない憲法の解釈によるためだ。それに伴い、海賊などに対処する「平時の自衛権」や「自国民侵害」対応がすっぽり抜け落ちてしまった。海自は海賊行為を座視するしかないのが現実だ。

 一方で日本は海賊行為抑止を国際的に約束している。12年前、日本が批准した国連海洋法条約第100条は「すべての国は、最大限に可能な範囲で、公海その他の場所における海賊行為の抑止に協力する」とうたっているからだ。

 6月2日には国連安全保障理事会が、ソマリア沖での海賊行為制圧に向け「必要なあらゆる措置」を取る権限を各国に与える決議を採択した。日本は共同提案した16カ国に連なった。

 これは奇怪としかいいようがない。矛盾を抱える日本がのたうちまわり、結果として信頼を失うのは目に見えている。海賊などへの実効的対処を含め、国際共同行動に参加する法整備が求められるゆえんである。
[PR]
by sakura4987 | 2008-06-24 11:29

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987