★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆現実に目を背けた平和宣言



     【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂

 (産経 2008/8/9)


 ≪■「北」を避ける広島市長≫

 6日、広島で63回目の原爆の日を迎え、秋葉忠利市長は世界の都市・自治体連合による核兵器廃絶や日本国憲法の順守を訴えた平和宣言を読み上げた。今年も、昨年と同様、北朝鮮の核には全く言及がなかった。

 今年は、6月末に北の核申告を受けた米国が北のテロ支援国家指定解除の手続きに入り、その期限の8月11日が迫る中で迎えた原爆の日だった。それだけに、北に対するメッセージが期待されたが、期待は裏切られた。

 旧社会党出身の秋葉市長はこれまでも、北の核への言及を避けてきた。昨年の原爆の日は北の核実験(一昨年10月)の後だったにもかかわらず、平和宣言はそれに触れず、「憲法順守」と「米国批判」を強調した。北の核開発が明らかになった直後の2002年10月に米の大学で行った「広がる核の脅威」と題する講演でも、米の核政策への非難に終始し、北の核には触れなかった。

 これに対し、長崎の田上富久市長は昨年8月9日の平和宣言で、新たに核兵器を保有した北朝鮮などの国名を挙げ、北の核廃棄に向けた6カ国協議での「ねばり強い努力」を訴えた。昨年4月に凶弾で倒れた伊藤一長前市長も、平和宣言で北の核に言及することを忘れなかった。これが被爆地の首長として当然の対応であろう。

 日本にとって、当面する最大の脅威は北の核だ。それを取り上げない広島の平和宣言は、あまりにも現実と遊離している。

 ≪■金体制への期待は禁物≫

 北が核計画を申告したといっても、それは核爆弾の原料となるプルトニウムの抽出量や核施設の稼働実績が記載されているだけで、高濃縮ウランによる核開発やシリアへの核技術協力については別の文書に記すことで、問題が先送りされた。

 申告が不十分なうえ、検証もされないまま、米が北のテロ支援国家指定を解除することは、極めて危険である。

 14年前の1994年10月、北の核開発凍結の見返りに軽水炉提供や重油支援などを約束させられた「米朝枠組み合意」が成立した。産経は「この『合意』を素直に喜んでいいものなのだろうか」(10月19日付主張)と疑問を提起したが、朝日と毎日は次のように米朝合意を高く評価した。

 「難航してきた米朝交渉が妥結を見たことは、金(正日)書記が対話と協調の路線で指導力を発揮していることを間接的に証明している」(同日付朝日社説)

 「米朝両国が公式外交文書に調印することは、北朝鮮にとっては金正日書記の後継体制発足を飾る、歴史的な合意である」(同日付毎日社説)

 だが、こうした金正日氏(現・総書記)への期待が裏切られたことは、その後の朝鮮半島の歴史が証明している。北はもらうものだけをもらい、秘(ひそ)かに核開発を続けていた。金正日体制への甘い期待は禁物である。

 ≪■米の戦争責任の検証も≫

 広島、長崎の原爆の日で、もう一つ忘れてならないのは、米国の戦争責任の問題である。

 広島、長崎への原爆投下は、東京・下町一帯がB29の無差別爆撃を受け、10万人が死亡した東京大空襲の延長線上で行われた。広島、長崎市や旧厚生省の調査によれば、原爆による死者は29万人を超え、今も多くの被爆者が後遺症に苦しんでいる。ほとんどの犠牲者は一般市民だった。

 終戦後、GHQ(連合国軍総司令部)のプレスコード(報道検閲)により、原爆投下を批判することが許されなかった。

 昭和20年9月18日、朝日新聞は2日間の発行停止命令を受けた。同月15日付紙面に、原爆の使用を「国際法違反、戦争犯罪」とする鳩山一郎氏(後の首相)の談話を載せたことが主な理由だった。

 昭和20年12月8日から、GHQが新聞各紙に連載させた「太平洋戦争史」には、広島の原爆について「TNT二万トン破壊力を有するこの一弾は、広島の兵器廠(へいきしょう)都市の六十パーセントを一掃してしまった」と書かせた。NHKの「真相はか(こ)うだ」でも、長崎の原爆について「長崎軍港の軍事施設と三菱ドックに投下されました」と言わせ、原爆の主要な目標が一般市民ではなく、軍事施設であったかのように印象づけた。

 原爆投下を指令したトルーマン米大統領(当時)の回顧録によれば、トルーマンは原爆を軍事兵器と見なし、その使用に疑念を持っていなかった。連合国側のチャーチル英首相やスターリン・ソ連首相も、日本への原爆使用に賛意を示したとされる。

 米国の原爆投下の違法性や非人道性について、被爆国として学問的にきちんと検証すべきだ。(いしかわ みずほ)
[PR]
by sakura4987 | 2008-08-11 15:21

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987