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◆政治の本質は説得する力



          【一筆多論】気仙英郎

 (産経 2008/09/01)


 共和党のジョン・マケイン氏と民主党のバラク・オバマ氏が戦う米大統領選はいよいよ本番である。8月28日に終わった民主党大会に続いて、共和党もきょう1日から党大会を開き、11月4日の投票日に向けた激しい舌戦をスタートさせる。

 「昨日、ママと子供たちと一緒にデンバーに着きました。すばらしい街です。今晩、党大会で演説して、子供たちと、この国と、私たちの将来についての夢を分かち合っている夫のバラクについて話すつもりです」

 これは、民主党が、日本時間の先月26日早朝、オバマ氏の夫人であるミッシェル名で有権者に一斉に流した電子メールの一節である。

 米国の大統領選は、「説得する力」を競い合うところに本質がある。両党は候補者がその能力を十分兼ね備えていることを総力を挙げてアピールする。政治家だけでなく、親族や友人らまでが登場し、党の綱領を決める党大会はその大事な機会である。ミッシェル名の電子メールは、有権者に幅広く聞いてもらうための演出というわけだ。

 「大統領のパワーとは、説得する力である」と初めて定義したのは、ハーバード大教授だった故リチャード・ニュースタット氏である。ニュースタット氏は議会の同意なしには政策を実行できない米国政治の特徴をとらえて、大統領の力は現実には相当弱く、そのパワーはワシントン政界での評判や個人的な説得力、国民の人気などに負っている部分が大きいと分析し、「プレジデンシャル・パワー」を著した。

 その本は立候補前だった故ジョン・F・ケネディ元大統領の目に留まり、ニュースタット氏は、ケネディ氏の戦略顧問に招かれ、後にハーバード大のケネディ・スクールを創設した。

 ケネディ氏以来、米国では、政策を分かりやすく有権者に説明し実行する能力の有無が大統領の資質の中心と見なされ、候補者は一生懸命その能力を磨き、有権者は真剣に候補者の言葉に耳を傾けるようになった。候補者は、投票日まで、政権公約を精緻(せいち)に作り上げ、それを国民の前に示すために全精力を費やすのである。

 こうした指導者に求められる資質は、国が違っても同じではないか。まして、日本は米国と同じ市場経済を重視する民主主義の国である。首相も与党や官僚機構の協力なしには政策の実行が難しい。

 しかし、福田康夫首相には、政策を説得して実行するという気概が感じられない。来年の秋までには総選挙が確実なのに自民党、民主党双方の政治家らも内向きで、有権者に語られる言葉は場当たり的で少なめである。米国の民主党が党内を割って最良の候補者を選ぶ努力をしたのに比べ、日本の民主党の代表選は「政権交代を実現するために」の名目で小沢一郎代表の無投票3選が決まりそうだ。

 世界は動いている。北朝鮮問題、グルジア情勢など難問山積である。資源高、地球温暖化、サブプライム問題で見直しが必至な金融資本市場など経済のグローバル化の負の部分も大きく顕在化している。政治に問われているのは、レッセ・フェール(自由放任)ではなく、市場を制御する知恵である。国民は、課題の先送りではなく、問題を見据えた政策を渇望しているはずである。日本の政治に説得力を期待するのは酷というのでは何とも情けない。
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by sakura4987 | 2008-09-04 15:58

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