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◆南京の真実語った従軍記者



         【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂

 (産経 2008/9/27)


 ≪■“百人斬り”報道を否定≫

 南京戦に従軍した元東京日日新聞(毎日)カメラマン、佐藤振壽(しんじゅ)氏が今月4日、95歳で死去した。佐藤氏は“百人斬(ぎ)り”の新聞記事の写真を撮影しながら、「記事は事実ではない」と言い続けた。神奈川県藤沢市で行われた通夜・葬儀には、百人斬りの冤罪(えんざい)で処刑された向井敏明少尉の次女、千恵子さん、百人斬り訴訟の弁護団長、高池勝彦弁護士、同訴訟を支援する会会長の阿羅健一氏らが参列し、佐藤氏をしのんだ。

 問題の記事は、東京日日新聞の昭和12年12月13日付に「百人斬り“超記録”」「向井106-105野田」「両少尉さらに延長戦」という見出しで掲載された。

 「【紫金山麓(さんろく)にて十二日浅海、鈴木両特派員発】南京入りまで“百人斬り競争”といふ珍競争をはじめた例の片桐部隊の勇士向井敏明、野田毅両少尉は十日の紫金山攻略戦のどさくさに百六対百五といふレコードを作つて、十日正午両少尉はさすがに刃こぼれした日本刀を片手に対面した」

 この記事には、佐藤氏が撮った日本刀を手にする2人の少尉の写真が添えられていた。

 2人はこの記事がもとで、1947(昭和22)年12月、南京の軍事法廷で死刑を宣告され、翌年1月、銃殺刑に処せられた。

 だが、佐藤氏は平成6年5月の本紙連載「南京の真実」で、こう証言している。

 「浅海一男君(故人)という社会部の記者が2人から話を聞いて、私はそばで聞いていたんです。…これから南京に入るまでどっちが先に百人切るか競争するんだと。でも私には納得のいかないところがあった」「修羅場になったら(野田少尉が務める)大隊副官は大隊長の命令指示を受けて、何中隊はどうする、と命令を下してなくちゃいけないわけです。(向井少尉が務める)歩兵砲の小隊長は『距離何百メートル、撃てーッ』とやってなくちゃいけない。それなのにどうやって勘定するの。おかしいなと私は思ったんですよ」

 その後も、佐藤氏は「あれは戦意高揚のための記事で、軍の検閲も通っているが、あり得ない話。戦後、浅海君は“百人斬り”の件で市ケ谷の検事団に呼ばれたが、『あれはほら話』といえばよかったんです」と話していた。

 ≪■新聞記事が生んだ冤罪≫

 “百人斬り”は昭和46年、朝日新聞の連載「中国の旅」で蒸し返され、中国の南京大虐殺記念館には今も、当時の東京日日新聞の記事が“虐殺の証拠”として等身大パネルで展示されている。

 “百人斬り”は、新聞記事が生んだ冤罪といえる。

 向井千恵子さんと野田少尉の妹、マサさんら遺族は平成15年4月、朝日と毎日などを相手取り、両少尉の名誉回復を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 高齢の佐藤氏は長男の尹一(ただかず)氏と看護師に付き添われて車いすで出廷した。途中でストップがかかり、血圧検査などを受けながら、「百人斬りを百パーセント信じていない」「記事はうそでも私の写真は本物です。それが原因で2人が銃殺されたと思うと、気の毒な気持ちでいっぱいです」と証言した。

 ≪■裁判は朝毎の実質敗訴≫

 この訴訟で、毎日は主として「時効」を主張した。朝日は、記事を書いた浅海記者が極東軍事裁判所の検事の尋問で「真実を書いた」と証言していることなどを根拠に、“百人斬り”は真実だと主張した。

 新聞記事は訂正されない限り、どれだけ年月が経(た)っても、事実として引用される。記事に時効はない。また、戦意高揚記事を書いた記者の証言をいくら集めても、それは真実性の証明にはならない。

 訴訟は最高裁まで争われ、いずれも遺族側が敗訴したが、裁判所が新聞記事を真実と認めたわけではない。

 1審・東京地裁は事実認定で「両少尉の職務上の地位、日本刀の性能及び殺傷能力等に照らしても、両少尉が本件日日記事にある『百人斬り競争』をその記事の内容のとおりに実行したかどうかについては、疑問の余地がないわけではない」と疑問を提起し、2審・東京高裁も「同記事の『百人斬り』の戦闘結果は甚だ疑わしいものと考えるのが合理的である」とした。

 ただ、裁判所は「一見して明白に虚偽であるとは言えない」と判断し、名誉棄損にはあたらないと結論づけたにすぎない。

 訴訟の経過は、先月発売された向井千恵子さんらの共著「汚名」(ワック)にも、詳しく書かれている。千恵子さんはこの中で、佐藤氏と一緒に図書館で新聞のマイクロフィルムを探した思い出などをつづっている。南京戦の従軍記者として真実を伝えた佐藤氏の勇気に感謝し、冥福を祈りたい。
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by sakura4987 | 2008-09-29 15:00

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