◆「させていただく」の乱発やめて
(産経 2008/9/25)
先日テレビを見ていると、ある大物タレントが記者会見をしていました。そのときの第一声が「この度、私たち結婚させていただくことになりました!」でした。皆さんは、これを聞いてどう感じますか。
「…させていただきます」は、確かに高い敬意を表す表現ですが、使い勝手の良さから何でもかんでも「させていただきます」で済ませる傾向があります。本来は“相手の好意的な許しを得て行う”という意味で、結婚を発表するこの場面には全く適していない表現です。
例えば「お電話をさせていただいてよろしいでしょうか」というように許可を得るような使い方や、結婚披露宴の招待状に対して「喜んで出席させていただきます」と、相手の好意に甘える場合は最適です。
大抵は「報告致します」や「お休み致します」と言えば十分敬意のある表現が可能です。つい最近、北京オリンピックでスポーツキャスターが「一生懸命応援させていただきます!」とニコニコ顔で言っていました。プロでもこの程度かとショックを受けてしまいますね。キャスターや芸能人の言葉遣いは一般視聴者に対してかなりの影響力があります。もっと慎重であってほしいと思います。
大阪では「…さしていただきます」と言う人も多くいます。これは関西風味なのかもしれません。いずれにせよ、「させていただく」の乱用乱発は避けたいものです。(ホテルニューオータニ大阪・研修インストラクター 森浩)

