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◆【次代への名言】産経 2008/10月4日



 むかし人は、いふべき事あればうちいひて、その余はみだりにものいはず(新井白石『折(おり)たく柴(しば)の記』)

 享保元(1716)年、それまで7年間にわたって、日本の政治の中枢にいた新井白石は旧暦のきょう、「(数え年)六十の無官の老翁」として自叙伝『折たく柴の記』の序文の筆をとりはじめた。冒頭はその書き出しである。意訳すると、「昔の人は言うべきことがあればはっきりとものを言うが、それ以外はことばを浪費することはない」。

 白石は仏文学者、桑原武夫が「日本の百科全書家」と呼ぶほどの学者であり、改革者でもあった。前将軍・徳川綱吉が「100年ののちも続けよ」と遺言した悪法「生類憐(しょうるいあわれ)みの令」の廃止を進言し、財政再建に努めた。

 明治維新の150年前にあって白石は「将軍は天皇の下位」という意見をはばからなかった。また、「天下には富める者は少なく、貧しい者は多い」と説き、仁愛の政治を実現しようとした。『折たく柴の記』にはそんな姿が率直に、ときには激しい筆致でつづられている。

 この自叙伝は、子孫たちに内々に読み聞かせるために書かれたのだが、刊行され、現在も読み継がれている。黄泉(よみ)の国で白石はいまごろ、「しまった。少しものを言いすぎた」と顔を赤らめているかもしれない。
by sakura4987 | 2008-10-11 14:33

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