◆【主張】国籍法改正 不正排除へもっと議論を
(産経 2008/11/20)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081120/plc0811200323003-n1.htm
最高裁が国籍取得に関する「父母の結婚」の要件は違憲だと判断したことを受けた国籍法改正案が、18日に衆院を通過した。未婚の日本人の父と外国人の母の間に生まれ、出生後に認知された子の国籍取得要件から「婚姻」を外す内容だ。
国籍は就職など社会生活上の重要な意味を持つだけでなく、選挙権など国民の基本的な権利にもかかわる。
しかし、改正案には不正な国籍取得を排除できるのかといった懸念が残っており、適切な歯止めを求める動きが党派を超えてみられる。違憲判断に行政府や立法府が対応するのは当然としても、問題点を生煮えにしたまま成立を急いでは禍根を残しかねない。参院でさらに問題点を議論すべきだ。
現行法は、未婚の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子が出生前に認知されなかった場合、国籍取得には出生後の認知と父母の婚姻を要件としている。6月の最高裁判決でこの婚姻要件が違憲と判断されたことから、改正案は両親が結婚していなくても出生後に父親が認知すれば、届け出により国籍が取れるようにした。
衆院法務委員会の審議では、子に日本国籍を取得させ、自分も合法的滞在の権利を得たい外国人女性を対象に、不正認知の斡旋(あっせん)ビジネスが横行しないかといった懸念が示された。超党派の議員連盟も作られ、「改正案は偽装認知による国籍売買を招くおそれがある」と、慎重審議を求めていた。
自民、民主両党は今国会成立で合意し、衆院通過は全会一致とされたにもかかわらず、本会議の採決時に抗議の意思を示す議員が出たのはこのためだろう。
不正認知にはブローカーや犯罪組織の関与も指摘され、虚偽届け出には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」という罰則が新設されたものの、議連などは抑止力が不十分だと主張している。
衆院法務委の採決では、DNA鑑定を念頭に父子関係の科学的確認方法導入の検討や、虚偽届け出への制裁の実効性を高めることを求める付帯決議が行われた。父親による扶養や同居などの実態を考慮すべきだとの指摘もある。
日本国籍が取れないため、不合理な差別的扱いを受けている人の救済は急務だ。不正排除の仕組みが彼らに過大な負担となってもいけない。さらなる論議で望ましいルールを見いだすべきだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆国籍法改正 誰も理解せぬまま参院も審議入り
(産経 2008/11/20-19:42)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081120/plc0811201947010-n1.htm
未婚の日本人の父と外国人の母の間に生まれ、出生後に認知された子の日本国籍取得要件から「婚姻」を外す国籍法改正案は20日、参院法務委員会で趣旨説明が行われ、審議入りした。法務委は同日の理事懇談会で、26日に1時間45分の参考人意見聴取、27日に4時間の一般質疑を行った後に委員会で採決することで合意。このため、改正案は28日の参院本会議で成立する見通しとなった。
衆院法務委がわずか3時間の審議で改正案を採決し批判を受けたことから、参院側は「慎重な対応をしたい」(自民党国対幹部)として倍近い審議時間(5時間45分)を確保した形だ。だが、これで懸念される偽装認知への歯止めをどうするかなど、十分な議論が尽くせるかどうかは疑問だ。
「この中で、国籍法改正案を全部理解している人は手を挙げてください」
20日昼の自民党津島派の総会で、戸井田徹衆院議員はこう呼びかけたが、手を挙げた議員は1人もいなかった。改正案は国会議員も内容をよく把握しないまま、成立へと向かって突き進んでいるようだ。
改正案は今月4日に閣議決定されたが、国会議員らが問題点や危険性に気付いたのはその後のことだった。無所属の平沼赳夫元経済産業相は19日の「国籍法改正案を検証する会合に賛同する議員の会」で、こんなエピソードを紹介した。
「現役閣僚から『とんでもない法律が通りそうだから何とかしてくれ』と電話があった。『あなたはそれに閣議でサインしたんだろう』と言ったら、『流れ作業で法案の中身は分からなかった』と話していた」
自民党では、改正案が衆院を通過した18日の役員連絡会や参院執行部会で問題指摘が相次いだ。執行部会では、国対幹部が「運用で(犯罪に)歯止めをかけていく工夫が必要だ」と述べ、尾辻秀久参院議員会長も「もう一度検討した方がいい」と語ったが、成立の流れを押しとどめるまでには至っていない。
一方、改正案を問題視する民主党議員からも「うちの法務部会(部門会議)も、『次の内閣』会合も通っちゃっているんだよな」との嘆息が漏れている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
参院法務委員会は、11月26日27日開催かれ、参院本会議に緊急上程されると、27日午後に「国籍法改正案」は参院本会議で可決される。遅くとも同28日に強行可決されるもよう。
参議院法務委員一覧
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/iinkai/list/l0065.htm
◆参議院 法務委員会
■松村 龍二 TEL:03-3508-8304 FAX:03-5512-2304
Mail: info@ryuji-m.net
■青木 幹夫 TEL:03-3508-8534 FAX:03-3502-8825
■秋元 司 TEL:03-3508-8311 FAX:03-5512-2311
http://www.akimoto-web.jp/opinion.html
■舛添 要一 TEL:03-3508-8219 FAX:03-5512-2219
http://mipe2.aa0.netvolante.jp/fmi/xsl/koushiki/inquiry.xsl
■丸山 和也 http://www.maruyama-kazuya.jp/supporter.php
■山崎 正昭 TEL:03-3508-8419 FAX:03-3508-9419
■千葉 景子 TEL:03-3508-8412 FAX:03-5512-2412
Mail: tomato@cyberoz.net
■松岡 徹 TEL:03-3508-8734 FAX:03-5512-2734
http://www2.matsuoka-toru.jp/form/inquiry.html
■小川 敏夫 TEL:03-3508-8628 FAX:03-3593-0577
Mail:info@ogawatoshio.com
■川上 義博 TEL:03-3508-8701 FAX:03-5512-2701
http://www.kawakamiyoshihiro.com/cgi/mail1/index.html
■今野 東 TEL:03-3508-8708 FAX:03-5512-2708
Mail: azumaru@k-azuma.gr.jp
■鈴木 寛 TEL:03-3508-8635 FAX:03-5512-2635
Mail: info@suzukan.net
■前川 清成 TEL:03-3508-8712 FAX:03-5512-2712
Mail: maekawa@maekawa-kiyoshige.net
■松浦 大悟 TEL:03-3508-8517 FAX:03-5512-2517
http://www.dai5.jp/mailform.php
■仁比 聡平 http://jcp-nihi.web.infoseek.co.jp/
■近藤 正道 TEL:03-3508-8740 FAX:03-5512-2740
masamichi_kondo@sangiin.go.jp
■江田 五月 TEL:03-3508-8608 FAX;03-5512-2608
Mail: satsuki_eda@sangiin.go.jp
■山東 昭子 TEL:03-3508-8224 FAX:03-5512-2224
Mail: akiko_santo01@sangiin.go.jp
●参議院法務委員会 名簿
●理事
千葉 景子 FAX 045-201-8188
松岡 徹 FAX 03-5512-2734
松村 龍二 FAX 03-5512-2304
木庭 健太郎 FAX 03-5512-2723
●委員
今野 東 FAX 03-5512-2708
鈴木 寛 FAX 03-5512-2635
白 眞勲 FAX 03-5512-2329
前川 清成 FAX 03-5512-2712
松浦 大悟 FAX 03-5512-2517
松野 信夫 FAX 03-5512-2721
青木 幹雄 FAX 03-3502-8825
秋元 司 FAX 03-5512-2311
舛添 要一 FAX 03-5512-2219
山崎 正昭 FAX 03-3508-9419
仁比 聡平 FAX 03-5512-2333
近藤 正道 FAX 03-5512-2740
江田 五月 Fax 03-5512-2608
山東 昭子 FAX 03-5512-2224