★★★ 日本再生ネットワーク 厳選ニュース ★★★

sakura4987.exblog.jp
ブログトップ

◆【ウェブ立志篇】予測不能な未来楽しめる強さを



           米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫

 (産経 2009/2/23)


 シリコンバレーにある日本語補習校に通う高校生たちと話をする機会があった。高校生たちの国籍は皆、日本。内訳は、幼稚園から小学校のときにアメリカに来た子が7割、中学校のときに来た子が1割、アメリカ生まれが2割。家庭では、日本人の両親と日本語で話し、学校では英語を使うので、皆ほぼ完璧(かんぺき)なバイリンガルだ。加えて、日本語の読み書きを強化するために日本語補習校で勉強している。ほぼ全員、日本には帰らず、アメリカの大学に進学する。

 34歳のとき渡米し、学生時代の留学経験もなく、「あと10年、できれば15年早くこっちに来たかったな、そうすれば、もっと大きなことができたかもしれない」といつも感じている私からすると、10代で英語と日本語を完璧に身につけて社会に出ていける彼ら彼女らがうらやましい。しかし「アメリカ社会で活躍する日本人が少ない」という理由から、自分の将来に漠然と不安を感じる子供たちもいるそうで、アメリカに根付いて仕事をする日本人の大人と高校生たちが話をする機会が定期的に用意されているのだ。

 いろいろ考えて、私は高校生たちにこんな話をした。

 「次の50年」は、「変化が常態」の時代になる。未来は何が起きるか本当にわからない。そんな時代を生きる上でいちばん大切なことは、未知を楽しめる心、未知を探究できる強さを持つことだ。未来とは不確実で予測不能なものだからこそ人生は面白いんだ、そう思って毎日を生き、わからないことの面白さや混沌(こんとん)を楽しめるだけの自信をつけよう。それが現代において何かを学ぶことのいちばん大きな意味だ。

 そして何より大切なのは、「生活」を人生の目標にしないこと。フロンティアへの挑戦や冒険、研究や創造、知的興奮の追求、パブリックな精神に基づいた活動、グローバルな難題の解決…、没頭する対象は何でもいい。

 でも、おいしいものを食べるとか、便利で快適で安全な暮らしとか、そういった「生活」レベルのことではなく、それよりも上位の価値を追い求めること。それが、先進国の恵まれた環境に育ってよい教育を受けている君たちの責任だ。

 「次の50年」って、人類の前に本当に解けるかどうかわからないような難題が積み上げられている時代なのだから…。

 私は相手が若ければ若いほど本気で話をするようにしているのだが、さまざまな事例を入れながら以上のようなことを何とか伝えたいと思ったのだった。

 あえて「生活」ということに言及したのは、彼ら彼女らの親の世代の日本人が「安定した生活が担保される未来」のことばかりを言い、そのために勉強しろ(紋切り型で典型的な物言いは「いい大学を出て大きな会社に入れ」)と子供を育てるケースが多く、私はそういう姿勢にまったく賛成できないからである。

 戦後生まれの日本人の多くは、「予測可能な未来」を前提に生きることができた最後の幸福な人たちだったのだ。

 たとえば「終身雇用」という「予測可能な未来」を象徴する言葉だって、会社がいつなくなってしまうかわからない時代には、何の意味もなくなる。

 若いときから「生活」の質の向上や安定ばかりを求めれば、変化に弱くなってしまう。次世代の日本人にいちばん必要なのは「変化が常態」となった「予測不能な未来」を楽しめる強さなのだ。
[PR]
by sakura4987 | 2009-02-25 15:53

毎日の様々なニュースの中から「これは!」というものを保存していきます。


by sakura4987