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◆【一筆多論】乱暴といえば乱暴だが  小林毅



 (産経 2009/2/23)


 「支持率81・6%、不支持率14・4%」。2月6日に就任2年目を迎えた橋下徹大阪府知事を支持するかどうか、産経新聞社が府内の有権者に尋ねた回答である。近年の内閣支持率の低迷ぶりを知る者にとって、耳を疑いたくなる数字だが、この府民の高い支持を徹底的に活用するのが氏の手法だ。

 橋下氏の真価が問われる2年目の核となる府の平成21年度予算案が17日に公表された。府にとって11年ぶりに赤字脱却を果たしたものの、文化関連予算を削り、私学助成金、高齢者や障害者向けの医療費助成を削減するなど20年度予算同様、府民に我慢を強いていることには反発が予想される。

 しかし、最も目をひくのは、国直轄事業負担金という「聖域」に切り込んだことである。

 これは国の公共事業に対する地元負担分だ。「受益者負担」の原則に基づくもので、地方財政法で義務づけられ、負担割合は法令に定められている。これまで自治体は国が通知する負担額を自動的に予算計上していた。これを知事判断で最大2割、計38億円減額したのである。

 国直轄事業負担金は、大なたを振るった20年度予算でも橋下氏が「どうしても削れなかった」と嘆いた項目だ。1年目にぶつかった、この霞が関の厚い壁にどう風穴をあけるのか。

 世論を盛り上げつつ、中央省庁への陳情や政治家を通じた根回しを続け、時間をかけて仕組み変更に持っていくのではないか、というこちらの予想は見事に裏切られた。

 「法律の規定に照らせば違反だ」「判断は国民、府民にしてもらう」といって、ばっさり予算を削減するという正面突破に出たのである。

 乱暴といえば、乱暴この上ないが、複雑で誰も解くことができなかった「ゴルディオスの結び目」を一刀両断した若きアレキサンダー大王のような痛快さがなくもない。その発言からも分かるように今回の決定は「民意は我にあり」という自信に裏打ちされている。これこそが橋下氏の真骨頂なのだろう。

 予算案公表前、橋下氏が削減を表明した時点で国土交通省は不快感以上に「これが他の自治体に飛び火するとまずいことになる」と感じたはずだ。そして、この懸念は早くも現実のものとなっている。

 新潟県の泉田裕彦知事と佐賀県の古川康知事が、北陸、九州新幹線建設工事費の負担増額を求める国に対して拒否する姿勢を表明した。福岡県の麻生渡知事も、これに関連して、「事業費が増えたから地方が負担するのは当然、という考えを直してほしい」と異を唱えた。

 淀川水系大戸川ダム(大津市)の建設問題でも、建設資金を負担する大阪、京都、滋賀の3府県の知事が反対し、国は苦境に追い込まれている。この問題でも橋下氏が加わったことで俄然(がぜん)、国への対抗力を増した、といったら言い過ぎか。

 橋下流を認める人も認めない人も、少なくとも氏の速射砲のように繰り出す問題提起、過激発言が、地方の首長に「国に対してモノをいってもいいんだ」という雰囲気を醸成したことは認めざるをえないだろう。

 橋下氏は自身の影響力、府民の高い支持を十二分に承知したうえで強力な武器としている。その手法が他の自治体をも巻き込み、難攻不落と思われていた“霞が関の常識”を確実に浸食し始めている。
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by sakura4987 | 2009-02-25 15:58

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