◆【集う】親の助(すけ)セミナー 斎藤環先生に聞く!
(産経 2009/3/18)
□東京・池袋のメトロポリタンプラザ
■子供扱いのままでは自立難しい
「ひきこもり」の若者を抱える家庭は全国で41万世帯にのぼるといわれる。ひきこもり問題の第一人者である精神科医の斎藤環(たまき)さん(爽風(そうふう)会佐々木病院診療部長)にアドバイスを聞くこの会が開かれ、定員140人に対し家族や自立支援活動に取り組む人ら218人が参加した。
「いつまでも子供のように扱っている限りは自立は難しい。親の側に子離れの覚悟が必要。親から変わろう」。メモを取る参加者を前に、斎藤さんが繰り返し訴えたのはこの点だった。
30歳を超えた息子を「ちゃん」づけで呼んだり、出てこないからと部屋に食事を運んだり。わが子かわいさからいくつになっても甘やかしてしまう。だが、これは正しい愛情ではない。わが子でも親の意のままにせず“遠慮”をわきまえて接すべきだと説く。
3月7日にこの会を開いたのは若者の社会参加や就労支援などを行うNPO法人「育て上げ」ネット(東京都立川市)。同ネットの工藤啓(けい)理事長と斎藤さんとのセッションで、工藤さんが「子供がただ宙を見つめているだけで話しかけてもうなずかない」との相談を読み上げると、「ひきこもりは座敷わらしだといった人がいる。座敷わらしにハローワークに行けとは言わず、ただ話したいという態度で話しかけ続けるといずれ応じてくれる。楽観的になって」と斎藤さん。
「やる気を出させようとして『プロジェクトX』(NHKの番組)のDVDをそっと机に置く作戦」や「(若者の自立支援関連の)イベントのチラシを部屋のドアのすき間から入れる」といった試みは「本人を怒らせるだけ。言いたいことは顔を見て言いましょう」とアドバイスすると、会場が笑いで沸いた。
「まず親が変わろう」との呼びかけ通り、最初は深刻そうだった参加者の表情が、会が終わるころは少し和らいだように思えた。

