◆三重県発行 今春1万冊を各学校に
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◆三重県発行 今春1万冊を各学校に (民団新聞06/2/22)
http://mindan.org/shinbun/news_t_view.php?category=13&page=19
【三重】在日韓国・朝鮮人問題をテーマとした人権啓発漫画が今春、三重県から発行される。脚本づくりにあたっては1世から4世まで県内の在日韓国人30人に直接取材し、等身大の在日像を描き出した。これは民団三重県本部(殷鍾秀団長)の全面協力があって実現したもの。1万冊を印刷し、県内すべての小・中・高校と行政機関に配布する。
<県内同胞30人に取材 民団県本部監修>
タイトルは「カヌンキル(僕の生きる道)」。在日として生きる道を選択した3世の高校生が、日本社会の偏見・差別の厚い壁にぶつかり、もがきながら自己実現を図っていく道筋を描く。
主な登場人物は1世から4世まで幅広い。これら複数の世代が複雑に絡み合い、重層的な在日像を浮かびあがらせる。1世の証言を通して過酷な植民地体験を浮き彫りにし、2・3世の代になると生き方も多様化していく様子をありのままに描く。共通しているのは在日ゆえの苦悩だ。
主人公に「こんな血いらんわ、抜いてくれ」と言わせる場面などは象徴的といえる。思い悩みながらも韓国人として生きる決意を固め、共生があたりまえの日本社会に変えていくことこそ自身の生きる道だと気づく。
主人公が出自を隠し二つの名前の間で揺らぐ姿は、日本社会の閉鎖性の表れでもあると指摘している。教師はそんな主人公に「(韓国籍であることを)周りには言わんほうがええな」と勧める。登場人物の本名宣言にも級友の反応は対照的。一方はまっすぐ受け止めようとし、もう一方ははぐらかす。漫画でありながら日本人の読者に投げかけるメッセージは重たいものがある。
本書は「同和」や「障害者」などをテーマにした県発行の人権シリーズの第7巻にあたる。企画が持ち上がったのは1年前の4月のこと。当時は今以上に韓流華やかなりしときだった。スタッフの鈴木良英さん(財団法人「反差別・人権研究所みえ」研究員)は「在日に光をあて、韓流に深みをつけたかった」という。
監修に加わった民団三重県本部の韓久事務局長も「在日の問題は日本の内政問題だということを分かってほしかった」と話している。ストーリーがかなり刺激的だったためか、県からは不協和音も聞こえてきた。しかし、最後は「説き伏せた」。鈴木さんは「県には英断を下してもらった」と評価している。